ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)の価格改定と買取相場の変遷

2020/12/01

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世界中の誰もが知り愛され続けるラグジュアリーブランド「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」。そんなルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)は、2020年世界中が新型コロナウイルスによるパンデミックの渦中において、人気のレザーアイテムなどの価格改定(値上げ)を3度も行い話題を呼びました。そして、買取価格にもその余波が。今回はそんなルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)価格改定の理由と買取相場への影響についてお話しさせていただきます。

コロナ禍においても価値が下がらない「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」の魅力

2019年度の売上高が約6兆円を超えるフランスの巨大コングロマリット(直接の関係を持たない複合企業体)「LVMH (モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)」グループ。
カルティエ(Cartier)・ヴァンクリーフ&アーペル(Van Cleef & Arpels)・ピアジェ(PIAGET)などのブランドを束ねるスイスの「リシュモン(Richemont)」グループ、グッチ(GUCCI)・バレンシアガ(BALENCIAGA)・ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)などを傘下に持つフランスの「ケリング(KERING)」グループと並び、「世界3大グループ企業」や「世界3大ラグジュアリー・コングロマリット」などと称されていますが、そんな「LVMH (モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)」グループの中核を成すブランドこそが「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」です。
ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)は、1854年にフランス・パリで、カバン職人のルイ・ヴィトンが旅行カバン専門アトリエをオープンしたのが始まりと言われ、トレードマークとして知られる創業者の頭文字「LV」のロゴに花や星の模様を組み合わせた柄「モノグラム」や「ダミエ」「エピ」「ヴェルニ」といった定番ラインは、人気が衰えることなくブランドの長い歴史を支えてきました。

そんな、ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)が160年以上も愛され続ける理由として、高い製品クオリティとその徹底した維持・コントロール、卓越したマーケティング力にあると言われています。
熟練の職人がひとつひとつハンドメイドで作り出すトランクやバックなどは、高い製品クオリティを誇り、その高い技術力を継承するため常に人材育成にも力を入れています。
ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)にはアウトレット製品が存在しないのも、傷モノやB級品を出さない優れた職人の技術力と品質の高さの裏付けともいえます。
また、製品の供給や流通を自社で管理し、ライセンス契約なども一切せず、大量生産ができないこともあり品薄になる品番がうまれ希少性も高くなるという効果も上手に利用し、そのクオリティをコントロールしています。
そして、マーケティングに関しても卓越した戦略を発揮しています。コマーシャルや広告などのプロモーションによるイメージ戦略はもちろんのことですが、特に「価格」に関しては徹底してブランドの価値を下げないよう戦略を練っています。「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)はセールは行わない」というのは有名な話として知られていますが、それでもモノグラムなど100年以上同じものを売り続けていて、いまだに需要があるというブランドの製品は、ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)が唯一無二と言っても過言ではありません。一方で、伝統にしがみつくような守りのマーケティングを行うのではなく、新進気鋭のデザイナーを採用してみたり、コラボアイテムを作ってみたりと、新たな試みにも挑戦しています。
そんな長年の絶え間ない企業努力の成果なのか、世界最大級のブランドエクイティデータベース「BrandZ」が発表する、2019年度の「世界で最も価値のあるブランド」ランキングのラグジュアリー部門では、見事に1位を獲得しているほどです。

昨今、コロナ禍における不況にあってもルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)のアイテムの価値が下がらない訳は、このように他のブランドには稀な「独自の魅力」を作り出しているからなのです。
LVライン画像

ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)における近年と2020年の価格改定について

2020年、世界中で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染が拡大したことにより、多くのラグジュアリーブランドが一時的に売上を激減させました。
そんなコロナ禍の中、ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)はアイテムの値上げという価格改定に踏み切ります。しかも、2020年の前半だけで3回も行われました。
近年においても、数回の価格改定による値上げを敢行してきた背景があります。過去の価格改定はその都度様々な要因はありますが、主に外国為替の変動や皮革などの原料の高騰・輸送コスト増が大きく影響したと言われています。
コスト増における値上げはご理解いただけると思いますが、外国為替に関して言えば、仮に「1ユーロ=150円」のタイミングで1000ユーロ(15万円)のバックを販売したとします。翌週に「1ユーロ=120円」になった場合、1000ユーロのバッグが日本円では12万円で購入ができてしまいます。このように国によっての販売価格の格差を解消するため、世界における価格均一化を目的に価格調整(値上げ)を行っているのです。
また、もう1つの大きな改定要因として、世界全体の物価が上がる中、現状の価格ですとブランドの大衆化のリスク(価値の低下)を伴う可能性があるため、それを防ぐ目的として「品質維持やサービス向上」を名目に値上げを行います。
2013年の価格改定の際、日本国内における価格は、2月に「品質維持やサービス向上」を理由にアクセサリーなどを平均で12%、7月に「原料コスト増や外国為替の影響」を理由に皮革製品を平均8%値上げしました。
そして2020年、ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)は1月・3月・5月と半年の間に、アイテム別の段階的な値上げ等もありますが3度の価格改定を行いました。
その要因として考えられるのが、新型コロナウイルス感染症の世界的なパンデミックによる影響が大きいと言われています。具体的には、世界経済の低迷による大幅な外国為替の変動、直営店のある各都市のロックダウンによる販売機会の喪失や売上の低迷、不景気における物価の変動によるブランド価値の維持などが値上げを断行した要因として考えられています。

その後、2020年10月に発表された「LVMH (モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)」グループの2020年7~9月期におけるファッション・皮革部門の売上高は、グループの主力ブランド「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」の価格改定が功を奏したのか実質ベースで前年同期比12%増を達成します。
また、世界最大のマーケットである中国において、コロナ禍でヨーロッパなどに旅行に行けない中国人によるラグジュアリー需要が再活性化したことも増収の要因として挙げられています。

また、コロナ禍においても自社で設定した価格で顧客を魅了することができるルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)のアイテムは、中古市場においてもその価値を保っています。
実際、ここ十数年において繰り返し行われた価格改定により、ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)のアイテムは平均して2倍以上値上がりしたと言われていますが、中古市場においても価格改定に紐づいて買取相場が徐々に上がってきている実情がその所以になります。

価格改定による買取相場の変遷について

前述でもお話しさせていただいた通り、ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)のアイテムにはアウトレットもセールもないため、正規販売の価格(新品)が買取相場の基準として大きく影響を及ぼします。したがって、新品アイテムの価格改定による値上げが行われれば、必然的に中古の買取相場も上がる仕組みになります。
特に、ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)の定番人気レザーアイテムである、ネヴァーフル・スピーディ・アルマ・ポルトフォイユ等のバッグや財布などは、常に需要が高いため買取相場も上がる傾向にあります。

話は変わりますが、2019年11月25日にルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)を傘下に持つLVMH (モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)グループは、業績低迷に苦しむアメリカ老舗宝飾ブランドのティファニー(TIFFANY & Co.)の買収が基本合意に達したと世界に発信しましたが、2020年9月には新型コロナウイルスの影響を受けグループ全体の業績の落ち込みから、買収を断念する姿勢を示しました。これを受けてティファニー(TIFFANY & Co.)は、LVMH (モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)グループを相手取り契約履行の提訴をしましたが、2020年10月30日にはスピード和解し、改めて買収金額を引き下げることで合意したと発表されました。
LVMH (モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)グループの最高経営責任者ベルナール・アルノーは、この買収の件も踏まえ世界中で新型コロナウイルス感染症の感染が再拡大することで、景気の先行きが不安定になり多くのラグジュアリーブランドの経営に重くのしかかると警鐘を鳴らしています。
つまり、拡大解釈すると近い将来も経営状況によっては価格改定による値上げや値下げが再び行われかねない、ということが言えます。

昨今、中古市場の人気がトレンド入りするなど、若者を中心とした消費者は新品の製品を持つ必要性を感じていない方も増えてきているようです。むしろ中古品に魅力を感じている方も多く、特に高価なブランド品などは需要も高まりつつあります。その中でも、ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)のアイテムは、新品はもちろんのこと中古品でも安定した需要があり、高額で買取査定されるケースも多々あります。
ただ、同じアイテムであっても売却時期が違えば買取金額も変わってきます。ここまでご紹介させていただいた通り、ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)による新品アイテムの価格改定が行われれば、中古の買取相場にも変遷するからです。

最後に、「価格改定による値上げ」と聞くと私たち消費者は、一概に喜ばしいものとは受け取れませんが、ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)というブランドの価値を維持するためには非常に大切な取り組みだと気付かされます。私たちが、ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)のアイテムを購入するとき、売却するとき、どちらにおいても価値が維持されているため、いろいろな意味でその恩恵にあずかることができます。
ここに、コロナ禍においても人気が衰えない「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)の真髄」が垣間見えるような気がします。

Writed by 上田勝太

上田 勝太

ゴールドプラザ 主任鑑定士
1985年生まれ 鑑定士歴15年
月次の最高買取金額10億円 各ニュースに出演

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