シトリンの産地ごとの特徴
2016/02/23
シトリンは和名で「黄水晶」と呼ばれます。
紫のアメジストと同じような水晶の1種である宝石です。
柑橘類の果実「シトロン」に色が似ていることが「シトリン」という名の語源になっていると言われ、古くから財運をアップするパワーストーンとして重宝されてきました。
基本的には淡い黄色の石ですが、中には個性的な色の種類もあります。
ここでは、シトリンの主な産地ごとに産出される原石の特徴についてご紹介しましょう。
シトリンの主な産地とそれぞれの特徴
シトリンの主な産出国はブラジルですが、天然のシトリンはほとんど産出されないので、天然ものはかなり希少だと言えます。
では、現在一般に出回っているシトリンは何なのか?
と言いますと、そのほとんどがアメジストを加熱して黄色に変色させたものなのです。
シトロンの原石は、産地ごとに色などの特徴がはっきりと分かれ、それぞれ名前も付けられています。
それでは、主要な産地ではどんな特徴のシトリンが採掘されているのかをご紹介していきましょう。
ブラジル産のシトリン
さまざまな宝石が産出されるブラジルで採掘の中心となっている場所はミナス・ジェライス州。
ただ、シトリンに加工されるアメジストはそれよりも北に位置するバイア州で産出されています。
バイア州で採掘されるアメジストは、地名にちなんで「バイア」と呼ばれています。
バイアは比較的大きな原石で、加熱すると淡い黄色になる特徴がありますが、一般的に透明度や光の屈折率が高いものに施されるファセットカットの宝石の中では、価格的にはかなり安いものとなっています。
また同じブラジルのリオ・グランデドスル州で産出されるアメジストを加熱したものを「マデイラ」と呼びます。
ポルトガル領であるマデイラで醸造されるマデイラ・ワインの色に似ているということから、このように呼ばれてきたそうです。
赤みを帯びたオレンジイエローで、シトリンの中でも最も濃い色を持っているのが特徴です。
ボリビア産のシトリン
ボリビアのアナイ鉱山ではシトリンとアメジストの2つの色を持っているという「アメトリン」が採掘されます。
その見た目から「バイカラー・アメジスト・シトリン」や「バイカラー・シトリン・アメジスト」などと呼ばれることがあります。
シトリンと同様に希少な宝石で、原石はアナイ鉱山でしか採掘されませんが、アナイ鉱山はブラジルとの国境近くにあるため、ブラジルを経由して出荷され、ブラジル産と表記されているものもあります。
シトリンの見分け方
産地によって色に特徴があるシトリンですが、いずれにしても見た目が極めて美しい、希少性の高いものが良質と評価されます。
具体的に品質の良いものかどうかを見分ける方法としては、その色味がポイントです。
グレーや黒みがかったものではなく、それぞれ純色であるかという点をチェックしましょう。
今回ご紹介したように、シトロンは産地によって色に個性があります。
どの石がいいかは自分の好みに合わせて選ぶのはもちろん、どういったアクセサリーに使うのかなど、その用途に合ったものをよく考えて選ぶことをおすすめします。