サファイアの産地ごとの特徴
2015/12/02
サファイアというと通常はブルーサファイヤを指し、世界中のさまざまな産地で採掘されていますが、それぞれの産地ごとに色味や品質などに特徴があります。
そこで今回は、サファイアの主な産地と、それぞれどんな特徴を持っているのかをご紹介しましょう。
主な産地とそれぞれの特徴
主要産出地である5つの地域ごとのサファイアが、どのように違うのかをご紹介します。
スリランカ産
紀元前という遥か昔から多種類の宝石を産出してきたスリランカは、サファイアの産出国としても知られています。
大粒で透明度が高く、少し紫がかった美しい青色であることがスリランカ産の特徴。
色の濃淡のモザイク模様が美しいバランスを保っているなど、宝石の最高品質であるジェムクオリティと認定されるも産出されています。
ミャンマー産
15世紀以前からサファイアの採掘が始まっていたというミャンマーのモゴック地方。
同じくモゴックで採掘されているルビーと比べると、その産出量は約500分の1と少ないのですが、大粒でモザイク模様のバランスが良い、濃いブルーの美しい石が採掘されています。
また、ミャンマー産は加熱処理されないという特徴もあります。
パイリン産
カンボジアとタイの国境にあるパイリンでは、15世紀からルビーとともにサファイアが産出されていましたが、本格的に生産され始めたのは1875年以降。
1960年代後半までは、世界において半数以上のサファイアを産出していました。
しかし最高品質のスリランカ産などと比べると、石の色が濃すぎて見劣りするものが多いようです。
カシミール産
ミャンマー産同様、通常は加熱処理されないカシミール産ですが、現在はほとんど産出されておらず、100年前に大量採掘されたものが少しずつ還流している状況です。
そのため、主要なオークションではアンティークジュエリーとして登場することも多いようです。
カシミール産サファイアの特徴は、柔らかでやさしい色味の青。
濃いめながら彩度の高い青が上品で落ち着いた雰囲気と評されています。
モンタナ産
1865年から知られていたものの、本格的な採掘がスタートしたのは1891年というモンタナ産のサファイア。
紫、黄色、緑といったファンシーサファイアも産出されるこの地では、比較的色味が薄いという特徴があります。
残念ながらその産出量は、世界的なマーケットで見るとさほど多くはありません。
サファイアは今回紹介した国・地域以外にも、オーストラリアやナイジェリアといった国々でも採掘されており、非常に数多くの国で産出されている宝石です。
その中でも一般的には、スリランカ産のサファイアが最も高品質だとされていますので、もしサファイアをお持ちでしたら、それがどこの産地のものなのかを確認してみることいいかもしれません。
まずは、上記のそれぞれの産地の特徴と照らし合わせて見てみてください。
自分では判断が難しいという場合は、専門の鑑定士がいる信頼できる店舗に持ち込んで鑑定してもらうと良いでしょう。