合成ルビーとは

2015/12/10

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ラテン語で「赤」を意味する語源を持つ、ルビー。

美しい赤の魅力にすっかり取り憑かれてしまったという人も多いのではないでしょうか。

ルビーには、希少価値が極めて高い天然ルビー、人工的な処理を加えた加熱ルビーだけでなく、合成ルビーというものがあることをご存知ですか。

ここでは、合成ルビーについて詳しくご紹介していきます。

合成ルビーはどういうもの?

天然ルビーに近いものを作りだそうと、1904年に科学的な方法で生み出された人工石が合成ルビーです。

ルビーという名前がついていますが、天然ルビーと比べて極端に希少性が低いため、宝飾品としての需要はほとんどなく、主に工業用品として使用されています。

現在ではジュエリーとしては利用されておらず、国内のジュエリー市場に出ることもまずないでしょう。

しかし、かつては日本国内でも合成ルビーがジュエリーとして利用されていたことがありますので、祖母から受け継いだルビーのアクセサリーや、家に代々伝わるルビーを鑑定してみたら、実は合成ルビーだった……なんていうこともあるようです。

現在では評価の対象にはなりませんが、アクセサリーとしてのデザイン性や歴史的価値を評価する場合もあります。

海外では、合成ルビーを評価対象にしていたり、アクセサリーとして楽しんだりすることもあるようなので、日本国内ほど価値が低いものではないようです。

そういった海外のアクセサリーが国内に入ってきて出回っている場合もあるかもしれません。

合成ルビーの人気や価値は?

昭和の初め頃までは、日本でも合成ルビーがジュエリーとして販売され、安値で手に入るルビーとして人気でした。

現在では、天然ルビーの貴重さが広く知られたことと、良質な加熱ルビーが手に入るようになったこともあって、合成ルビーのニーズはほとんどありません。

合成ルビーの価格は、同じサイズの天然ルビーと比べて1000倍の差があると言われています。

ジュエリーの完成度が高ければ全体の評価としての価値がつくこともありますが、合成ルビーはそもそも宝石ではありませんので、宝石としての価値は考えない方が良いでしょう。

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天然ルビーとの違いは?

ルビーをあまり見慣れてない人は天然ルビーと合成ルビーを判別することは難しいかもしれませんが、専門家は一目で見抜いてしまいます。

もちろん、見た目だけでなく結晶や成分を調べればすぐに分かります。

しかし近年では、製法によっては非常に精巧で天然ルビーと見紛うような高品質な合成ルビーを作り出すこともできるようです。

中には天然ものと偽って販売される悪質なケースもありますので、念入りに鑑定する必要があるでしょう。

合成ルビーそのものの価値は非常に低いのですが、想い出のジュエリーとして、気軽に楽しむアクセサリーとして、価値うんぬんではなく楽しんでみたらいかがでしょうか。

合成ルビーは、ルビーの美しい赤に魅了された人によって生み出されたものですので、ルビーはそれほどまでに魅力的な宝石だということなのかもしれません。