デジタルカメラの歴史
2016/09/12
現代で「カメラ」というと、デジタルカメラを指しています。
その歴史は意外に古く、さかのぼると1975年(昭和50年)にコダックの開発者であったスティーブサッソンが発明してから、約40年の歴史があります。
一般に普及したのが1990年代なので、20年程度しか歴史がないと思っていた方も多いと思いますが、フィルムを使うカメラの歴史の約半分もの歴史があるのです。
ここでは、デジタルカメラの開発から現代に至るまでのその歴史を、ご紹介しましょう。
デジタルカメラ前夜の「電子スチルビデオカメラ」
現代まで続く「デジタルカメラ」は、静止画をデジタルでフラッシュメモリなどに記録する製品群を指していますが、実はデジタルカメラが登場以前には、「電子スチルビデオカメラ」という製品がありました。
デジタルカメラの登場前夜とも言えるこのカメラは、記録媒体にフロッピーディスクなどを使う「アナログで静止画を記録する」カメラでした。
代表格は、ソニーが1988年(昭和63年)に発売した、「マビカ MVC-C1」。
ただ、当時は家庭用のビデオカメラの人気が高く、電子スチルビデオカメラの価格も高かったために、ほとんど一般に普及することはありませんでした。
その後、画像をデジタルで記録するデジタルカメラが、1990年(平成2年)に発売されるも、一般消費者に普及させるほどのインパクトはなく、本格的なデジタルカメラの普及は、1996年まで待たなくてはいけません。
伝説の名機「QV-10」の登場
カシオ計算機が、1996年(平成7年)に「QV-10」を発売してからデジタルカメラを取り巻く環境は一変します。
「QV-10」は、本体だけで96枚もの写真が撮影できるうえ、当時の価格で約7万円と廉価な価格帯で登場し話題になりました。
何よりも優れていたことは、現代のデジタルカメラ同様に液晶パネルが付いていて、撮影した写真をその場で確認することができること。
「QV-10」は、現代に続くデジタルカメラの「写真の楽しみ方」を定義して、それを消費者にも知らしめた名機として語り継がれています。
また、「QV-10」の発売当時はWindows95が発売され、パソコンも普及期に入り始めた頃。
デジタルカメラで撮影した写真をパソコンに取り込むということも考えやすい時代だったのも良かったのかもしれません。
熾烈な開発競争時代の到来
「QV-10」の成功を皮切りに、各社一斉にデジタルカメラの開発・製造を開始し、現代まで続いている熾烈な競争時代が幕をあけることになります。
フィルムを使ったカメラやレンズの製造をしていた老舗メーカーだけでなく、パナソニックなどの電子機器メーカーも参入し、デジタルカメラの開発競争は一層激しさを増していきます。
まさに、各社がしのぎを削っていた2007年(平成19年)に、デジタルカメラの使われ方をも再定義することになる、ご存知「iPhone」が発表されます。
現代のiPhoneは「4K品質」の写真を撮影することもできます。
まさに誰もが「日常的に高品質なデジタルカメラを持ち歩いている」という状態。
コンパクトカメラはすでに、iPhoneなどのスマートフォンに市場を奪われている状況と言っても過言ではありません。
様々なデバイスとの競争から、今後デジタルカメラはどんな進化を遂げていくのでしょうか。