IWC(インターナショナル・ウォッチ・カンパニー)の歴史
2017/01/15
スイスで生まれた時計メーカー、IWC。
正式名称は「インターナショナル・ウォッチ・カンパニー」です。
その歴史は1868年から実に、148年もの長い歴史があります。
2015年にはアイコンウォッチであるポルトギーゼが75周年を迎え
止まらぬ進化を続けるIWCについてご一緒に見ていきましょう。
国境を越えて生まれた時計
恐らく、今読んでいて疑問を抱いた方々もおられるのではないでしょうか。
公用語がフランス語、ドイツ語、イタリア語、ロマンシュ語である
スイスで生まれた時計メーカーの名称がなぜ、英語なのか。
それはIWCがフロレンス・アリオスト・ジョーンズという若干27歳のアメリカ人が設立した為、社名が英語になったと言われております。
アメリカの工業技術とスイスの優れた時計職人が手を取り合えば最高品質の時計が作れると、ジョーンズはスイスへと渡ります。
そこで彼は時計職人のハイリッヒ・モーゼルと出会い、二人三脚でIWCを設立し動き出します。社名は英語ですが、ジョーンズ一人で始めたわけではなかったんですね。
2499年まで完璧に作動する時計
時計界には3大機構といわれる「永久カレンダー」「トゥールビヨン」「ミニッツリピーター」が存在します。
その中の1つである永久カレンダーが1985年に「ダ・ヴィンチ・クロノグラフ・パーペチュアル・カレンダー」にIWCで初めて搭載されました。
当時、IWCで時計技師のリーダーを務めていたクルト・クラウスによって永久カレンダーを開発されたのですが、なんとその時計は2499年まで狂うことなくカレンダーがきちんと機能するとのこと。
今までの永久カレンダーはグレゴリオ歴と呼ばれる30日、31日や閏年で狂わないよう微調整が必要だったのですが、
クラウスが開発したのはそれが一切必要ないという画期的な設計だったのです。
さらに、部品数が400以上だった永久カレンダーを彼はわずか81個に抑える事に成功し
ました。
その後、ダ・ヴィンチだけではなくポルトギーゼ、インヂュニア、アクアタイマーにも搭載されます。
IWCが高級時計ブランドとしてあり続けているのはクルト・クラウスの存在なしではあり得なかったと言っても過言ではありません。
この偉業は1970年代に日本で大量生産された電子時計に苦しむIWCを救い、今では彼の設計図は時計界の歴史に大きく刻み込まれております。