珊瑚(サンゴ)の生態とは
2018/09/29今回は、買取という枠から一度離れそもそも珊瑚とは何物なのか。その生態や詳細についてご紹介致します。また、現在の珊瑚事情についてや小話も合わせて記載します。
珊瑚の分類
珊瑚は大きく分けますと、「珊瑚」と「珊瑚礁」になります。比較的浅瀬に生息するのが珊瑚礁であり皆さんもテレビでご覧になられたことがあるかもしれません。一方で「珊瑚」は水深100m以上の深海に生息します。宝石として使われているのは後者の「珊瑚」であり、正確には「珊瑚虫」と呼ばれる動物の一種であることが1742年に判明しました。その後の調べで両者には口周辺に存在する触手の本数により区別されることになりました。「珊瑚礁」は触手の数が6本であることから別名「六放(ろっぽう)珊瑚」、触手が8本ある「珊瑚」は「八放(はっぽう)珊瑚」と二つ名を用いられることになりました。
成長過程
ここからは珊瑚礁を除外し宝石に使用される珊瑚の話と致します。珊瑚の成長過程には珊瑚周囲を泳ぐ珊瑚虫が要となります。ある程度成長した珊瑚虫は、やがて原木である珊瑚に吸収されます。少しばかり身の毛がよだつ話でありますが、実はこの虫たちにもそれぞれ重要な役割を担っています。外敵から身を守る為の力、潮の流れによる摩耗に耐性を持つものなどまるでサプリメントのように原木に栄養を与えるのだそうです。では珊瑚虫の中心である原木の大元は何なのか。
珊瑚虫に取り囲まれるように存在する原木は元々、海底に沈んでいる石灰や珊瑚の死骸だと言われております。一度力尽きてしまった珊瑚(原木)に再び珊瑚虫が集い、成長していく。一つの珊瑚にも長い歴史を持っているとわかると何だか感慨深いものがあります。
珊瑚の寿命はおよそ数十年ほどであり、私たち人間とさほど変わらないものもいる中、サイズの大きい珊瑚は数千年にも及びます。付け加え「珊瑚礁」と比べ、珊瑚の成長スピードは大変遅く、種類によっては一年で僅か1cmしか成長出来ないのも存在します。
密漁者たち
珊瑚は宝石として世界で認められておりますが、国によってはその価値観が大きく変わります。日本は珊瑚の生息地である為、宝石として認められるのは喜ばしく誇れるものです。特に日本の高知県で採取される血赤珊瑚は通常の赤珊瑚よりも高値で取引されております。しかしながら、国境を越えた海外の密漁者たちにより珊瑚(サンゴ)が狙われているのもまた事実です。先ほど記載しました通り珊瑚の成長スピードは非常に遅く、これを管理者以外が無視し、大量に採取してしまえば、いつしか珊瑚はこの世から消えてしまいます。日本において、世界においても貴重な資源を目先の利益に囚われてしまったものたちにより、珊瑚(サンゴ)を失うのはとても悲しいことです。
現在、日本では海上保安庁を中心に密漁者たちに対し厳戒態勢をしいており、逮捕された後、強制送還された先では国際関係を乱したものとして大変重い罰を求刑されます。当初は密漁に対する罰則がまだ不十分だったこともあり、国を挙げて取り組まれたのが伺えます。珊瑚を守るべく、今後の国際環境保全活動に注目です。