日本のジュエリーブランド
2019/01/07
世界中にジュエリーブランドは多くありますが、日本にも実力と人気を兼ね備えるブランドは存在します。この度は、中でも評価の高い日本ブランドを取り上げてみたいと思います。
日本のジュエリーブランドとは
日本のジュエリーブランドは、海外のブランドと比べて、一言で言うと「コストパフォーマンス」の高さが挙げられます。
具体的に言うと「手の届きやすい価格設定」「高品質」「海外と比べても劣らないデザイン性」「アフターサービスの充実」などが代表的な例で、それらの特徴はすべて伝統工芸の技術から繋がる、日本人の繊細な技術力の賜物ではないかと思います。
今回は、老舗ブランドから最近のブランドまで、特に実力の高い5つの「メイド・イン・ジャパン」ブランドを創業順に紹介したいと思います。
STAR JEWELRY(スタージュエリー)
STAR JEWELRY(スタージュエリー)は、1946年に横浜・元町にて創業したジュエリーブランドで、創業者である永井三郎・妙子夫妻が得意の英語力を生かし、外国人向けの宝飾店を開いたのが始まりです。
お店の2階を工房にして職人を抱え、外国人顧客のオーダに応える店として、当時のアメリカの新聞に取り上げられるほど、評判を呼びました。
また当時、山手在住の外国人や戦後の進駐軍の婦人たちに流行った「ピアス」を、日本で初めて本格的に取り扱ったブランドとしても知られています。
1970年代には、ハマトラ(横浜トラディショナル)というファッションスタイルが、地元横浜・山手の女子大生を中心に大流行し、男性からの最初の贈り物が「スタージュエリーのシルバーリングだと幸せになれる」とまで言われたほどでした。のちに代表作となる「ドルフィンリング」や「花ピアス」も70年代に発表されました。1980年代には、今も人気の「ピンキーリング」のラインを展開し、日本を代表するジュエリーブランドとして地位を確立します。
また、素材にこだわったクラフトマンシップも有名で、STAR JEWELRY(スタージュエリー)で採用されるブライダルリングのプラチナは純度が約95%で、日常で身につけていても傷がつきにくいと言われ、ダイヤモンドの品質においても、GIA(米国宝石学会)の鑑定基準に加え、自社内での厳しい基準を設置し、アフターケアについても、ブライダルリングにおいては、原則として「永久保証」を謳っているほどです。
近年では、人気テレビドラマなどにも実名で取り上げられ、エンゲージリング(婚約指輪)や結婚指輪をはじめ、クリスマスの贈り物やネックレス・時計なども注目を浴びています。
また、アイコンでありブランド名である「STAR(星)」にちなみ、毎年7月7日の七夕にイベントを開催したり、地元横浜の球団「横浜DeNAベイスターズ」とのコラボレーションモデルを発表したりと、積極的に事業を展開するブランドでもあります。
4℃ (ヨンドシー)
1972年に創設された4℃ (ヨンドシー)は、1960年代後半に常識にとらわれない新しいジュエリーを作りたいと、東京の原宿に集まった若者数人によって始まりました。
ブランド名の「4℃ 」は、魚が生息できる氷が張った水面の底の温度を指し、厳しい環境の中での「潤い=安息の場」と、創作に向き合う姿勢として、自由奔放に姿を変えあらゆる生命に潤いをもたらす「水のようでありたい」という二つの意味から、「既存の価値に捉われることなく常に新しさと潤いをもたらす」というブランドメッセージが込められています。
4℃ (ヨンドシー)といえば、「シルバー」と「曲線美」です。
ジュエリーの素材として、日本では主にゴールドやプラチナが使われていた時代に、シルバーで本格的なジュエリーを創作し世の中に発表しました。
また、水をイメージさせる無駄を削ぎ落としたやわらかくシンプルな曲線美のデザインは、女性の魅力を最大限に引き出し、人気を不動のものとしました。「究極のシンプル」を追求した代表的なデザインモチーフは、「しずく」が有名です。
クリスマス時期のテレビCMでも話題になった4℃ (ヨンドシー)は、変色しにくいシルバー素材である「 エターナルシルバー」を採用したり、「美女と野獣」や「シンデレラ」などをモチーフとした「ディズニーコレクション」発表したりと意欲的に活動し、現在では全国に200店以上の店舗を展開し、婚約指輪や結婚指輪を中心に取り扱う「4℃ BRIDAL(ヨンドシー ブライダル)」、財布やバッグなどの日常品を取り扱う「Luria 4℃(ルリア ヨンドシー)」、カジュアルで可愛らしいデザインが主流の「(canal 4℃(カナル ヨンドシー)」など、目指すは「和製ティファニー」と掲げているだけあり、魅力的なブランドラインを多角展開しています。
VENDOME AOYAMA (ヴァンドーム青山)
VENDOME AOYAMA (ヴァンドーム青山)は、創業者の山田稔がフランス・パリを訪れ、アクセサリーを愉しむ女性たちに感銘を受け、新しいアクセサリーを創りたいと1973年にヴァンドームインターナショナルとして創業し、75年に「ヴァンドーム青山」1号店を南青山にオープンしました。
1980年代に入ると、パールやルビーのリングなど、ありのままの素材の魅力を引き出すデザインが人気を博し、多くの女性から支持を得ました。
1990年代には、普段使い出来るダイヤモンドジュエリーを展開し話題になり、今でもダイヤモンドを扱った、結婚指輪・エンゲージリング・ペアリングは定評があります。
1996年より、フランス在住の日本人デザイナーの弓・シャローを迎え、アクセサリー・小物などを中心とした新たなラインを発表しました。
VENDOME AOYAMA (ヴァンドーム青山)の魅力といえば、テーマごとのコンセプトジュエリーとデザイン性です。
VENDOME AOYAMA (ヴァンドーム青山)では、在籍しているデザイナーの人数が世界的にみても多く、それゆえ各々がわざわざマーケティングリサーチをしてからテーマを決めて、様々な角度からアイデアを集めデザインを起こしています。その結果、流行に左右されない、ブランドのオリジナリティが際立つコンセプトジュエリーが生まれています。
また、デザイン性についても日本人女性のライフスタイルに寄り添いながら普段使いが出来て、永く愛されるデザインを重視し、ダイヤモンドのセッティングが特徴的なエタニティリングの「エターナル エクラ」や、ネックレスやピアス・イヤリングが人気の「セルクル」や「キャトル」と言ったシリーズも有名です。
現在では、「ドラえもん」や「ハローキティ」といった有名人気キャラクターとのコラボレーションも展開しています。
agete (アガット)
バッグ・アクセサリーで有名な「SAZABY」や、飲食店として人気の「Afternoon tea」などを運営する株式会社サザビーリーグが、1990年にスタートさせたジュエリーブランドがagete (アガット)で、名前の由来は、宝石の瑪瑙(めのう)のような赤みがかった濃い茶色の色名や、瑪瑙(めのう)そのものをagete (アガット)ということから名付けられたとされています。
熱烈なファンがいることでも知られ、シンプルで飽きの来ないデザインに定評があります。
発表されたジュエリーやアクセサリーの数々は、素材や文化にとらわれず、どこか懐かしいデザインや、最先端の海外デザインなど多岐にあふれています。
ピンキーリングやアメリカンピアス、ペアリングや結婚指輪・時計など、いま若い女性を中心に注目が高いagete (アガット)は、ハイエンドなものから、初心者向けのもの、それぞれの店舗でしか購入することができない限定ジュエリーなど、幅広く展開されています。
AHKAH (アーカー)
AHKAH (アーカー)は、宝石鑑定士でありデザイナーの福王寺朱美が設立したジュエリーブランドです。
もともと彼女の実家は、宝石を商いとする家であったため、高校卒業後アメリカへ留学し、GIA(米国宝石学会)の宝石鑑定士の資格を取得しました。その後、文化勲章を受章した日本画家である福王寺法林の息子で、同じく日本画家の福王寺一彦と結婚します。
1997年に、AHKAH (アーカー)を立ち上げ、2001年にファーストコレクションを発表します。
「日常生活の中で親しみやすく、着けやすいジュエリー」というコンセプトが有名人や著名人たちに注目を浴び、一躍日本を代表するジュエリーブランドの一員として成長します。
AHKAH (アーカー)を象徴するシンボルモチーフとして「百合 AHKAH’S LILY」「クロス AHKAH’S CROSS」「ハート AHKAH’S HEART」「星 AHKAH’S STAR」などが挙げられ、それらをモチーフとしたコレクションが定番ラインとなります。
特に人気の高いネックレスにおいては、一粒ダイヤをあしらった「ヌーディー」、そのほかにも「ビリーブユー」「 ローラハート」「アミュハート」「イニシャル」などが定番ラインとして有名です。
また、2005年にオーダーメイドのサロン「couture maison(クチュール・メゾン)を開設し、2013年には、メンズジュエリーコレクションAHKAH HOMME(アーカー オム)などを展開し始めます。
ちなみに有名俳優と結婚したことが話題に上がった娘の福王子彩野は、2003年にAHKAH (アーカー)の姉妹ブランドとして、アパレルブランド「tinkpink」を立ち上げ、現在は母とともにAHKAH (アーカー)の経営に携わっています。
現在は、人気キャラクター「スヌーピー」とのコラボレーションや、毎年リピーターも多いクリスマス限定ジュエリーを発売するなど、意欲的に事業を展開し、マーケットや店舗においては、日本のみならずアメリカの高級百貨店バーニーズニューヨークを始め、ロンドンやパリなどの百貨店でもAHKAH (アーカー)のコレクションは取り扱われています。
以上になりますが、そのほかにも今回は取り上げることができなかった実力のある日本のジュエリーブランドはたくさんあります。
また、「メイド・イン・ジャパン」ブランドは、いつの時代もクラフトマンシップによって生み出され、成り立っていることは確かと言えるでしょう。
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