ミントン(MINTON)は、1793年に創立された英国の食器ブランドで、ボーンチャイナの製造で有名です。ヨーロッパの人々は、中国の白磁のように真っ白な陶磁器に憧れましたが、それには特殊な陶土と高い焼成技術が欠かせませんでした。ヨーロッパに真っ白な磁器が一気に普及したきっかけは、ボーンチャイナの発明です。ミントンが製造する金彩を施した豪奢なボーンチャイナは、ビクトリア女王に「世界で最も美しいボーンチャイナ」という賛辞を贈られ、宮内庁御用達となり今日に至ります。ちなみに、ミントンはタイルの製造でも世界一流で、英国のオズボーン宮殿や英国国会議事堂、日本の旧岩崎邸などのタイルを手掛けています。
ミントンのシリーズで有名なのはハドンホールです。ハドンホールとは英国の城の名前で、その城に所蔵されているタペストリーの絵柄をモチーフにした作品です。細密画のように丁寧に描かれたワイルドフラワーの絵柄が食器全体にバランス良く配置されています。繊細な絵付けの草花と上品な色合いは万人の共感を呼び、ミントンを代表する作品となりました。その後、青を基調とするハドンホールブルーも発表され、いずれもミントンのアイテムで最も人気のあるシリーズとなっています。
ミントンは、他にも、薔薇をモチーフとしたビクトリアストロベリーシリーズ、英国庭園に咲く花を描いたシークレットガーデン、東洋の染付を思わせるハードウィックなどの人気シリーズを製作しています。ミントンの食器はどれも品質が高いので、買取ではハドンホール以外のシリーズも高く評価されています。