ロレックスデイトナの魅力
2015/08/25
腕時計に関心のある人の多くが一度は憧れるロレックスのデイトナ。
デザイン性の高さ、ムーブメントの正確さ、耐久性。そして、多くの著名人が身につけていることでも知られます。
ここでは、開発と進化のプロセスに沿って、ロレックスの「デイトナ」の魅力に迫ります。
「デイトナ」の名前の由来
1959年、米国フロリダに誕生したスピードウェイ「デイトナ・インターナショナル」。
ラップタイムと戦う男たちの雄姿が、ロレックス「デイトナ」の名前の由来となりました。
デイトナの進化の歴史は、まるでスピードに命を懸けてきた男たちの歴史とオーバーラップするかのようです。
ロレックス「デイトナ」の名称はこのレース場の名が由来となっていますが、デイトナの開発自体は、それよりも遥か以前、1930年代までさかのぼります。
ロレックスデイトナの誕生
1930年代、ロレックスはクロノグラフムーブメントの専門メーカーであったバルジュー社と提携し、クロノグラフの開発に乗り出しました。
多くのクロノグラフ製作の過程を経て、1940年代から50年代にかけ、現在のデイトナに見られる3カウンタータイプの製品が登場。
ムーブメントはバルジュー社のキャリバー72系でした。
そして1950年代後半、これまでの開発プロセスを結集したRef.6238が登場。
コンセプト、デザイン、形状、あらゆる面の特徴を踏まえ、このモデルがロレックスデイトナの前身とされています。
このRef.6238の発表前に、先に挙げたデイトナ・インターナショナルがオープン。
象徴的な名称を探していたロレックス社が、このスピードウェイの名称とイメージを借りて、1960年代に「オイスターパーペチュアル・コスモグラフ・デイトナ」を発表。
初めて名称に「デイトナ」が入った、デイトナの第一号モデルが誕生したのです。
ロレックスデイトナの進化の歴史
1960年代半ばには、ムーブメントをバルジュー727に変更。
その後、1980年代にデイトナが自動巻き方式になるまで、基本ムーブメントはこのバルジュー727を採用しており、精度と耐久性がいかに卓越したものであったかが伺えます。
1970年代にはRef.6265が登場。ダイヤルに初めてOYSTERの文字が刻まれました。
防水性能も30mメートルから50mにアップし、第三世代のデイトナと評されました。
しかし、翌年にはRef.6265が生産中止。さらにその翌年、手巻き式から自動巻き式へとリニューアルして再登場。
手巻き式デイトナは今後もう生産されないのではないか?ユーザーたちの焦燥感を背景に、一時は新モデルよりも旧モデルを追い求める動きが過熱しました。
自動巻きが標準モデルとなったロレックスのデイトナ。
ムーブメントはキャリバー4030。ゼニス社のエル・プリメロを改良して製造された、半自社製品でした。
これを機にデザイン、ディテール、防水性、耐久性など全面的に大幅リニューアル。とくに防水性能は、水深100mと大きく飛躍しました。
2000年、ムーブメントをキャリバー4130に変更。これこそ時計業界の話題を一点にさらった、ロレックス社による完全自社開発ムーブメント誕生の瞬間でした。
現行で発売されている多彩なデイトナは、このモデルが基礎となっています。
デイトナの長きにわたるクロノグラフムーブメントの歴史。それに付随するさまざまな試行錯誤の痕跡。
腕時計たった一個にかけられたロレックスの熱い思いの変遷こそ、現代におけるデイトナの魅力につながっていると言えるでしょう。