パール(真珠/Pearl)の歴史

2017/11/30

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古来より人々を魅了し、「月のしずく」「人魚の涙」などと呼ばれてきたパール(真珠)。
その魅力について、由来や背景について触れてみたいと思います。

パール(真珠)に惹きつけられる理由

パール(真珠)は、その美しい光沢を持つことから世界各地で古くから宝石として珍重され、「人類最古の宝石」と言われていました。
また、天然のものは産出が希少で、ダイヤモンドなどの鉱石に比べ加工が容易なことから、15世紀ぐらいに研磨の技術が発達するまでは「宝石の王様」として君臨していました。
アメリカの鉱物学者でティファニーの副社長であったジョージ・フレデリック・クンツ博士も『ザ・ブック・オブ・ザ・パール』と言う著書の中で、その美しさを称賛しています。

「月のしずく(月が落とした光のしずく)」「人魚の涙(人魚の涙が貝の中に宿ったもの)」などと例えられたパール(真珠)ですが、母貝の体内で守られ生成されることから「慈悲・母性・無垢・清楚・守護」などの呪術的な意味合いを持ち、古くから護符として用いられてきました。
冠婚葬祭などで身に着ける宝石として、古くから親しまれている理由は、そのような由来につながるのかもしれません。
また、パール(真珠)は装飾品としてだけでなく、昔は薬として使用されていたそうです。

世界とパール(真珠)のヒストリー

古来より、アジア・ヨーロッパなどの王室や貴族の間では、富と地位の象徴としてパール(真珠)を珍重し、 次の代へと受け継いできました。
エジプトでは紀元前3200年頃から既に用いられていたと言われ、賭けをした女王クレオパトラが酢に溶かして飲んだという逸話は有名です。
また、紀元前2200年代には、中国でパール(真珠)の最古の記録があり、 古代インドや中国の古典などには珍重品や貢物として頻繁に登場します。

古くからパール(真珠)は大変貴重なもので、マルコ・ポーロの「東方見聞録」で日本は「美しいパール(真珠)の産地」と紹介されると、ヨーロッパの国々が日本に注目するようになりました。
アメリカ大陸発見で有名なコロンブスは、中南米の海域にパール(真珠)の産地を発見し、ヨーロッパで注目されましたが、それから百年も経たないうちに、乱獲などで産地は衰退したそうです。
時代は流れ、養殖生産の成功などの影響もあり、庶民にも比較的に安価に入手できるようになると、女性たちの圧倒的な支持を得たのが、ココ・シャネルが創り出したドレスとパールのファッションスタイルでした。
シャネルはパール(真珠)をこよなく愛し、その魅力を最大限に生かし、位の高い人々の象徴から、服に合わせるためのアクセサリーとしてのスタイルを確立させました
パールの歴史2

日本における真珠の由縁

古代より日本は、パール(真珠)の産地として有名であり、特にアコヤガイから採れるアコヤ真珠は一大産地でした。
古くは縄文時代の遺跡から出土していますし、中国の「魏志倭人伝」にも邪馬台国からの朝貢品として日本の真珠の記述があり、「日本書紀」「古事記」「万葉集」などの古典にも度々登場しています。特に万葉集では「あはび玉」「しらたま」「あこや」などの名で、美や尊い女性の象徴として詠まれていました。
また、パール(真珠)は皇族や貴族の衣冠束帯に欠かせない装飾品で、特権階級の象徴でした。

鎖国下の江戸時代になると、幕府より交易を許されていた中国・オランダが日本のパール(真珠)に目を付け、交易品として国内の一部の地域で採取されたほとんどが輸出されていました。この頃、日本人は真珠に無関心でしたが、次第に真珠が薬として珍重されるようになると、日本全国でアコヤガイが採取され始めました。

明治になり、政府の貿易赤字から外貨獲得のため、目を向けられたのがパール(真珠)でした。1893年(明治26年)に「MIKIMOTO(ミキモト)」の創業者である御木本幸吉が半円真珠の養殖に成功すると、その後、パール(真珠)は日本が供給できる宝石として、世界の一大生産国の仲間入りを果たしました。

第二次世界大戦直後の日本では、輸出商品が乏しい中、パール(真珠)は外貨を稼ぐ救世主となり、戦後の日本経済に多大な貢献をしました。
当時、日本の真珠の大部分が神戸から輸出されたこともあり、1954年(昭和29年)には「TASAKI(タサキ)」の前身である「田崎真珠」が神戸市で養殖真珠加工販売業をはじめました。
また、 GHQをはじめとした当時の進駐軍関係者にも日本の真珠は、帰国時の土産として人気があったそうです。
その後、ティファニーやカルティエなどの有名ブランドも日本の養殖真珠を取り扱い始め、世界における日本のパール(真珠)は、その地位を確かなものとして行きました。

世界を代表する、日本のハイジュエリーブランド 「MIKIMOTO(ミキモト)」や「TASAKI(タサキ)」は、その象徴と言っても過言ではないでしょう。
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