トルマリンの産地ごとの特徴
2016/03/09
熱を加えると電気を帯びることから、和名では「電気石」と呼ばれるトルマリン。
マイナスイオンを発生するということもあり、古くから民間での治療などにも使われてきた石です。
トルマリンはカラーバリエーションが豊富なだけでなく、1つの石の中に複数の色が存在するものがあるなど、とても個性的な宝石です。
ここでは、トルマリンの産地別の特徴についてご紹介しましょう。
トルマリンの主な生産地とそれぞれの特徴
トルマリンの主な産地はブラジルですが、19世紀以降はアメリカのメーン州やカリフォルニア州をはじめ、ロシア、マダガスカル、モザンビークなどでも産出されています。
それでは、トルマリンの主な産地ごとに採掘される石の特徴などについてご紹介しましょう。
ブラジル産のトルマリン
世界で最もトルマリンの産出量が多いというミナス・ジェライス州では、さまざまな色のトルマリンが産出されています。
代表的なものは、グリーン・トルマリン。
エメラルドやペリドットとはまた違う、爽やかな美しい緑色のトルマリンです。
天然のピンク・トルマリンも産出されますが、若干茶色を帯びたワインカラーのような色味が多いようです。
青と緑を混ぜたような色をした、別名「インディゴライト」と呼ばれるブルー・トルマリンも産出されています。
インディゴライトは、色の濃さが邪魔をしてグリーン・トルマリンより透明度は高くありませんが、より希少性が高いものだと言えます。
また、パライバ州で1989年に発見され、その後数年間産出されたネオンブルーとグリーンの「パライバトルマリン」は一番高価な石ですが、残念ながら現在は採掘されていません。
アメリカ産のトルマリン
アメリカではカリフォルニア州やメーン州でトルマリンが採掘されますが、カリフォルニア州では希少な透明のトルマリンが採掘されます。
一方、メーン州で産出される石は、ブラジル産のように茶色を帯びたものではなく、ミントグリーンなどのパステルカラーの石が多く産出されています。
モザンビーク産のトルマリン
モザンビークでは、ピンク・トルマリンも産出されますが、一般に知られているのはネオンブルーとグリーンの「パライバトルマリン」です。
ブラジル産のものと比べると薄いブルーの石が採掘されることが多いのですが、中にはブラジル産に近い高品質の石も含まれており、これらは高値で取引されています。
トルマリンの見分け方
トルマリンの品質は、やはり色味で見分けるのがポイントです。
例えばグリーン・トルマリンの場合は、透明度が高く、輝きの強いものが良質なもので、黄色がかったものや茶色がかったものは、グレートが下がるとされています。
また「ホットピンク」と呼ばれる色の濃いピンク・トルマリンは、放射線処理がされている可能性がありますので、注意が必要です。
トルマリンをファッションアイテムとして購入するのであれば、自分の一番好きな色を選ぶと良いでしょう。
もし将来的に買い取りをしてもらうことを考えて購入する場合には、インディゴライトやパライバトルマリンのようなより希少価値が高い色のものを選んだ方がいいかもしれません。
ただし、その場合も天然か加工済みかを購入前に必ずチェックしましょう。
グリーン・トルマリンなど比較的安価なものは、少し大きめのカラットを選んで購入することをおすすめします。