バカラ(Baccarat)は、1764年にモンモランシー・ラバルが創立したガラス製品のメーカーです。バカラは、クリスタルの製造で世界的に有名です。クリスタルとは水晶を意味する英語ですが、まるで水晶のように透明なガラスということから、いつしかクリスタルと言えばクリスタルガラスを指すようになりました。
ガラスは鉛の含有量が多いほど、光の透明度や屈折率が高くなって美しい輝きを放ちます。その逆に低品質のガラスは透明度が悪く、気泡が入っていたり向こう側が歪んで見えたりします。約30%の酸化鉛を含んでいるクリスタルは、人々の心を一気に捉え、世界中にバカラのクリスタルを愛する顧客が広がっていきました。
東京都港区にある旧朝香宮邸(東京都庭園美術館)には、バカラ製の白磁で作られた香水塔があります。人の背丈より高いオブジェの上部には香水を入れるスペースと照明が施され、照明の熱で香水が蒸発してあたりに匂いを漂わせるという優雅な趣向で訪れる人々を楽しませました。このように、日本の皇族が私邸を飾るためのオブジェをわざわざフランスに発注するほど、日本でもバカラの名声は知れ渡っていました。現在でもフランス大統領がエリゼ宮で晩餐会を開く時は、バカラのグラスが用いられます。バカラのクリスタルは最高級のガラス食器の代名詞なのです。
バカラのクリスタルは、非常に堅牢で年月を経ても輝きを失いません。特に人気が高いのはクリスタルのペアガラスですが、グラスだけでなく可愛いオブジェやチャームなど、幅広いアイテムを製造しています。バカラの買取を希望する場合は、元箱に納め、箱に汚れがある場合はご自分で出来る範囲でキレイにしてからお持ちになることをお勧めします。