蛍光灯と白熱灯、宝石の色の見え方の違い

2015/11/12

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外出時に身に付けているときと自宅で保管しているとき、同じ宝石のはずなのになんだか色がちょっと違うな……
そんなふうに感じたことはありませんか。

それは、蛍光灯や白熱灯、自然光などの「宝石に当たる光」によって、色や見え方が変わる事が原因なのです。

今回は、一般的な蛍光灯と白熱灯などの光源の種類によって、宝石の色がどう違って見えるのかを紹介します。

光源によって変わる宝石の色

明るい所と暗い所では、洋服やバッグなどの色の見え方が違うというのはよくあることですよね。

同じ屋外でも晴れた日と雨の日では違う色に見えることがあり、それは宝石も同じです。

光で色が変わる宝石と言えば、アレクサンドライトが有名です。

アレクサンドライトは、太陽光の下では青や緑が強くなり、蛍光灯の下では赤などが強くなるというように、大きく色が変わります。

アレクサンドライトのように全く違う色にガラリと変わることはなくても、光源によって色味が微妙に変化する宝石があります。

それでは、家庭などの照明にもよく使われている蛍光灯と白熱灯、それぞれの光源の下では、宝石の色はどのように変わるのでしょうか。

蛍光灯による宝石の色

蛍光灯の下で美しく見えるのはサファイヤやアクアマリンだとされており、青系の宝石は蛍光灯によってより美しく見える傾向にあると言われています。

逆に美しさを欠いてしまうのは、ルビーなど赤やオレンジなど、もともとの色が暖色系の宝石で、その美しさが半減してしまうと言われるほど相性が悪いとされています。

白熱灯による宝石の色

白熱灯は、ルビーなどの赤やオレンジなど、暖色系の宝石の美しさを存分に引き出してくれます。

逆にサファイヤやアクアマリンなど青系の宝石は、白熱灯の下ではその美しさを欠いてしまう傾向にありますので、品質のチェックには向いていないと言えるでしょう。

お店での鑑定は影響を受けるの?

光によってかなり色味が違って見えるので、お店での鑑定時に影響があるのではないかと気になる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、プロが宝石を鑑定する場合は、「マスターストーン」という基準となる石と比較をしたり、お店の在庫にある石と比べたりして品質を鑑定していますので、光によって宝石の色の見え方が違っても、鑑定そのものには影響はありません。

ただし、鑑定士の経験の違いなどによって異なる鑑定になる可能性はありますので、信頼できる鑑定士に見てもらうことが大切です。

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色の判断は光を合わせて

自分の持っている宝石の本来の色味が知りたい、ふとそんなことが気になったときは蛍光灯と白熱灯の光を合わせて当ててみてください。

その時に見えた色がその宝石本来の色ということになります。

今回ご紹介したように、宝石は光源によって見え方が変わるものです。

まずはご自宅にある宝石に蛍光灯や白熱灯、またこれらをミックスした光を当ててみて、どのように色の見え方が違うのか、いろいろ試してみてはいかがでしょうか。

ただし、品質を正確に判断するのは、専門家でないとなかなか難しいものです。

その宝石の品質について詳しく知りたいときや買取を考えているときは、経験が豊富な鑑定士に鑑定してもらうと良いでしょう。

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