ロレックス プリンスとは?その魅力

2016/02/27

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ロレックスのスタンダードなモデルの中で、とりわけ異彩を放つ特殊モデル「プリンス」。
一見しただけでは、ロレックスだと分からない人も多いでしょう。
四角いロレックス、と聞いてもなかなかイメージが沸かないかと思いますが、この特殊性こそ、ロレックスファンを惹きつけるプリンスの魅力だと言えます。
ここでは、ロレックス唯一の四角い時計「プリンス」についてご紹介しましょう。

芸術作品としてのロレックスプリンス

ロレックスのプリンスは、1929年に誕生しました。驚くのは、そのケースの形状。最近では一般的に女性用としてよく見かける長方形の腕時計です。
そして時計を裏返してみるとさらに驚きが!なんと時計の裏側がシースルー構造になっているのです!そのため、内部の機械構造(ムーブメント)が見える仕組みになっています。
しかし、完全防水・自動巻き機能の発明で知られ、機能性を追求するロレックスが、なぜ長方形の腕時計を作ったのでしょうか?
なぜシースルーで内部を見せる時計を作る必要があったのでしょうか?
詳しい開発経緯などは分かっていません。
そもそも、腕時計を装着すると、シースルー部分は腕と密着して見えなくなってしまいますので、ファッション性を重視したデザインとしても機能していません。
このようにロレックスの中でも特に異彩を放つプリンスは、「見えない部分にもこだわりを詰め込んだ」、ロレックスが生んだ芸術作品だと言えるのかもしれません。

ロレックスプリンスの機能性

ロレックスプリンスは、そのデザイン性だけを評価されているわけではありません。かつてはロレックスを代表する「高い機能性を持つモデル」として評価されていました。
時計の精度や安定性を図るビエンヌ天文台精度検定。ロレックスは、この検定にプリンスを5,000本預けました。
極めてレベルの高い公的検定なのですが、見事プリンスは5,000本すべて合格。またたく間にこの快挙は広く知られるところとなり、一時は、ロレックス最高水準の機能性を有する時計とも評されました。
また、医師の間では、その機能面を買われて広く使われたことでも知られます。これは、ロレックスプリンスが、秒針だけを文字盤内で独立して設置してあった事から、患者の脈拍を図る際に便利だったためです。
こういった事もあり、ロレックスプリンスにはドクターズモデルという異名もついたほどです。

現代によみがえったロレックスプリンス

1940年後半になると、プリンスのようなデザイン性が高い高級腕時計は次第に衰退していきます。ごく一般的なデザインの腕時計が世界の主流となっていきました。

人々の記憶からプリンスが消えかかっていた2005年、創業100周年を迎えたロレックスが、新たなロレックスプリンスを発表しました。
特徴的な長方形のケースも健在。プリンスの初代モデルを彷彿とさせるような、気品あふれる新作でした。

「ロレックスはこうあるべきだ」という固定概念を気持ちよく壊してくれるのが、ロレックスプリンスと言えます。
ファンならば所有する価値のあるモデルです。