コロンビア産のエメラルドの特徴
2015/10/08
世界で最もエメラルドの生産量が多いのはコロンビア。
コロンビア産のエメラルドは、色味も美しいことから人気が高く、すでにお持ちの方や欲しいと思っている方が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、コロンビア産のエメラルドがどういった歴史を辿ってきたのか、また鉱山によってどんな特徴があるのかなどについてご紹介します。
スペインの南米征服以降に世界へ
ほかの産地のエメラルドとは違って、やわらかで美しいグリーンが特徴のコロンビア産エメラルドが世界で知られるようになったのは、16世紀後半のこと。
スペインが南米を征服し、大粒だったコロンビア産のエメラルドを本国へ大量に送り、宝石として、また彫刻などに加工して、ヨーロッパやトルコ、インドの王室に持ち込んだことがきっかけだと言われています。
鉱山によって違う特徴
コロンビアでこれまでにエメラルドを産出してきた鉱山は約100ヶ所と数多く、16世紀のスペイン侵攻以降も複数の鉱山で採掘が続けられてきました。
そうして産出されたエメラルドは、実に多種多様。それぞれの鉱山によってはもちろん、鉱山内の鉱区一つ一つに異なる特徴が見られるのです。
ここでは、コロンビアの代表的な鉱山と、それぞれで産出されるエメラルドの特徴をご紹介します。
ムゾー鉱山
品質の高いエメラルドが産出されることで知られる政府管理のムゾー鉱山は、コロンビアの首都であるサンタ・フェ・デ・ボゴダから北北西方向に120㎞の地点に位置します。
濃いグリーンながらやわらかな色味が特徴的ですが、透明度の低いものや傷の多いものも多く、最高品質のジェムクオリティのものは1000分の1個程度だと言われています。
チボー鉱山
首都サンタ・フェ・デ・ボゴダから東北東へ100㎞ほどの、ムゾー鉱山とは別方向に位置するチボー鉱山。
こちらの鉱山から産出されるエメラルドは、ムゾー鉱山ほどの品質には至らないものの、ブルーの色味が強いグリーンが特徴的で、内包物が少なく、透明度も高いとされています。
とはいえ品質のレベルはさまざまで、研磨まで至らないものも多いようです。
コスクエス鉱山
コスクエス鉱山から産出されるエメラルドは、ムゾー鉱山やチボー鉱山のものとは異なる淡いグリーンの色味に特徴があり、見分けやすいと言えます。
ムゾー鉱山の北10㎞の位置と比較的近くにあり、同じように政府が管理している鉱山です。
そのため、これまで産出量がコントロールされてきた鉱山でもあります。
コロンビア産エメラルド 品質の見分け方
コロンビア産の中でも特に最高品質の6Sは、透明度がありながらグリーンの色が非常に濃く出ます。
色以外の見分け方として、一番にチェックしたいのが表面の傷です。
通常はオイルや樹脂を浸透させる加工によって傷を目立たなくしているのですが、その加工が過剰な場合は、年月を経ると傷が目立つようになってしまうものもあるので要注意です。
このように採掘された鉱山によって、特徴に違いがあるコロンビア産のエメラルド。
どれがいいかというのは好みにもよりますが、それぞれの特徴を覚えておくと購入する時や買い取りをしてもらう時にもきっと役に立ちます。
ただし、正確に品質を判断するのは難しいと思いますので、鑑定人のいる信頼のおける店舗に相談することをおすすめします。