硬度とじん性

2015/02/20

宝石の耐久性を数値で表したのが硬度です。宝石の堅さには様々な定義が利用されますが、その中でもよく使われるのが「モース硬度」です。

モース硬度は1812年にドイツの鉱物学者モースにより、引っ掻きキズに対する抵抗力の指標として考案されました。
モース硬度は最も堅いダイヤモンドを10、最も軟らかい滑石を1として石の硬さの順番に並べたもので、相対的な順番である為、堅さの比率を正確に表したものではありません。
つまり、硬度8のトパーズは、ダイヤモンドの10分の8の堅さがあると言うわけではないのです。

これに対してアメリカのヌープ博士が考案した「ヌープ硬度」は、ダイヤモンドを基準として、各鉱石の堅さの比率を数値化したものです。
これによると、トパーズは実質的にはダイヤモンドの約5分の1の堅さであることがわかります。
こちらの指標は科学的であるため、工業材料や加工技術によく利用されています。
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宝石の強さを表す指標は硬度だけではありません。もう一つ宝石の耐久性を表す大切な指標が「じん性」です。
じん性とは割れたり欠けたりすることに対する抵抗力を表したものです。
例えば硬度10のダイヤモンドですが、一方向からの圧力には弱く割れやすくなっています。
じん性においてはダイヤモンドよりも翡翠の方が強く、割れにくい性質を持っているのです。
石の繊維が複雑に絡み合ったものはじん性が高く、落としても割れないといった強さを持ちます。

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