ダイヤモンドのカットの種類 ― 輝きを引き出す美しきカットデザインの世界
最終更新日:2025/07/22


大嶋 雄介
2010年にゴールドプラザに入社し、千葉店の店長として3年間で月間売上の最高記録を達成。鑑定士としてのキャリアをしっかりと積み上げました。その後、集客の戦略構想やSNSを活用したPR活動をしながら、リサイクル業界への深い理解と経験を積みました。現在は貴金属の換金業務に従事し、金融相場や市場動向の分析を通して緻密な専門知識を深化させています。BSテレ東「なないろ日和」などに出演。
◾️ 目次
ダイヤモンドのカットとは? ― 輝きを生む職人技
リングやネックレスなどに使用されているダイヤモンドには、さまざまなカットの種類があり、その一つ一つに名前があります。ダイヤモンドの美しさを最大限に引き出すため、古来より多くのカット方法が考案され、進化してきました。原石の形状や光の反射・屈折を計算し、磨き上げられるカットは宝石の価値を大きく左右します。ここでは、代表的なダイヤモンドカットの種類とその特徴をご紹介します。
ブリリアントカット ― 輝きを追求した最も有名なカット
ラウンドブリリアントカット
中心からガードルに向けてファセットが放射状に伸びるカットで、最もポピュラーなスタイルがラウンドブリリアントカットです。1919年に数学的に計算されたこのカットは、原石の約半分を失うものの、最大限の輝きを引き出します。ブライダルリングをはじめとする多くのジュエリーに用いられています。
ファンシーブリリアントカットのバリエーション
- マーキスカット:ラグビーボールのような形で、指を細く見せる効果も。
- ペアシェイプカット:洋なし形で、ネックレスやペンダントに人気。
- オーバルカット:楕円形で柔らかく上品な印象。
- ハートシェイプカット:ハート型でロマンティックなイメージ。
これらはいずれも側面に細かいファセットが施され、華やかでキラキラとした輝きを放ちます。
ステップカット ― 内側からの美しさを楽しむカット
エメラルドカット
ガードルと平行にステップ状にカットされたステップカットは、落ち着いた輝きと透明感が魅力です。特に有名なのがエメラルドカットで、長方形や正方形に仕上げ、内包物の確認がしやすいのが特徴。クラシカルな印象を与えるジュエリーに最適です。
その他のステップカット
- テーパーバゲット:台形状で脇石に用いられることが多い。
- バゲットカット:小さな長方形で、控えめな輝きを演出。
- アッシャーカット:正方形に近く、ステップカット特有の透明感を持つ。
ステップカットは、石の内部が見やすいため、品質が優れた原石の美しさを活かせるカットです。

プリンセスカット ― モダンで人気の高いカット
プリンセスカットは、スクエアフォルムにブリリアントカットの輝きを取り入れたミックスカットの代表格。ブリリアントカットよりも原石の消失が少なく、大きめのジュエリーに向いています。
現代的なデザインと高い輝きを兼ね備えたプリンセスカットは、リングやイヤリングでも人気。ただし、尖ったエッジ部分は欠けやすいため、注意が必要です。
ローズカット ― 優雅でアンティークな魅力
16世紀に生まれたローズカットは、薔薇のつぼみのようなドーム型が特徴。ファセット数が少なく、控えめな輝きがアンティークジュエリーにぴったりです。現在でもクラシカルなデザインを好む人々に根強い人気を誇ります。
ミックスカット ― 輝きと透明感のハイブリッド
ミックスカットは、ステップカットのクラウンとブリリアントカットのパビリオンを組み合わせたもの。輝きと透明感を両立し、個性的な表情を楽しめるのが魅力です。
まとめ ― ダイヤモンドカットの多様性と選び方
ダイヤモンドのカットは、美しさを引き出すだけでなく、身に着ける人の個性も際立たせる重要な要素です。まずは、基本的なカットスタイルを押さえつつ、目的や好みに合わせたカット選びを心がけましょう。また、カットだけにとらわれず、原石そのものの品質も見極めることが、ダイヤモンドの価値を判断する大切なポイントです。