ダイヤモンドのカットの歴史 ― 輝きを求め続けた職人たちの挑戦

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大嶋 雄介
著 者

大嶋 雄介

2010年にゴールドプラザに入社し、千葉店の店長として3年間で月間売上の最高記録を達成。鑑定士としてのキャリアをしっかりと積み上げました。その後、集客の戦略構想やSNSを活用したPR活動をしながら、リサイクル業界への深い理解と経験を積みました。現在は貴金属の換金業務に従事し、金融相場や市場動向の分析を通して緻密な専門知識を深化させています。BSテレ東「なないろ日和」などに出演。

ダイヤモンドのカットとは? ― その魅力と進化

ダイヤモンドには数多くのカットが存在し、それぞれに異なる美しさがあります。現代では当たり前となったカットスタイルも、かつては宝石職人たちが試行錯誤を重ね、やっとの思いで生み出したものです。このコラムでは、ダイヤモンドの原石に秘められた輝きを最大限に引き出すために、長い年月をかけて磨き上げられた「カットの歴史」をひも解きます。


ダイヤモンド加工の始まりと古代の扱い方

ダイヤモンドの歴史は、紀元前800年頃、インドでの発見に始まります。
当時の人々は、硬さと神秘的な輝きに魅せられ、宝石というより護符やパワーストーンとして珍重していました。そのため、磨きやカットの目的は美しさを引き出すというより、天然のままの姿を楽しむものでした。


中世ヨーロッパ ― ダイヤモンドカット技術の黎明期

14世紀〜16世紀:カットの原点とローズカットの誕生

ダイヤモンドに輝きを与えるためのカットが研究され始めたのは、14世紀のヨーロッパです。
15世紀中頃にはローゼンツカットやテーブルカットが登場。さらに16世紀後半にはオランダでローズカットが発表されます。

ローズカットは薔薇のつぼみのようなドーム型で、従来のカットに比べて輝きが格段に増し、ヨーロッパの貴族たちに大変な人気を博しました。
その上品なデザインは、現在でもアンティークジュエリー愛好家に支持されています。


17世紀以降 ― ダイヤモンドカットの飛躍的進化

華やかさを求めた新たなカットの探求

17世紀、南アフリカやインドから大量のダイヤモンドがヨーロッパに流入し、宮廷文化の中で煌びやかさを競うためのカット研究が活発になります。
テーブルカットは次第に物足りなくなり、ローズカットが主流となっていきました。

オールドマインカットとオールドヨーロピアンカットの登場

17世紀末には、ベネチアの職人・ペルッツィが発表したオールドマインカットが登場。
これはカット面が58面という華やかさで注目されましたが、形状はほぼ正方形。
その後も改良が重ねられ、現代のラウンドブリリアントカットに近いオールドヨーロピアンカットが誕生します。

これらは、ダイヤモンドの輝きを飛躍的に高めた画期的なカットとして知られています。

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20世紀以降 ― 科学とデザインが生んだ現代カットの世界

ブリリアントカットの確立と多様化

19世紀末、電灯の発明により、人工照明の下で映えるカットが求められるようになります。
1919年、数学者マルセル・トルコフスキーが発表したブリリアントカットは、その理想形として現代でもスタンダードとなっています。

この時代から、ペアシェイプ・ハートシェイプ・オーバル・マーキスなど、個性豊かなカットも続々登場。また、エメラルドカットやミックスカットなど、輝きだけでなく形状や反射美に焦点を当てたカットも人気を集めています。


現代 ― 進化し続けるダイヤモンドカット

ダイヤモンドのカットは、今なお科学的研究と職人技によって進化を続けています。
古代インドで神聖視されていたダイヤモンドは、今日では美と魅力を最大限に引き出すジュエリーとして、多くの人々に愛されているのです。