ダイヤモンドの4Cとは?品質を見極める4つの基準
最終更新日:2025/07/29


大嶋 雄介
2010年にゴールドプラザに入社し、千葉店の店長として3年間で月間売上の最高記録を達成。鑑定士としてのキャリアをしっかりと積み上げました。その後、集客の戦略構想やSNSを活用したPR活動をしながら、リサイクル業界への深い理解と経験を積みました。現在は貴金属の換金業務に従事し、金融相場や市場動向の分析を通して緻密な専門知識を深化させています。BSテレ東「なないろ日和」などに出演。
◾️ 目次
ダイヤモンドの品質と価値は「4C」という4つの要素によって評価されます。
この基準は世界中で共通の評価軸として広く採用されており、ダイヤモンドを購入・選定するうえで非常に重要です。ここでは、それぞれの「C」が何を意味し、どのように品質に影響するのかを詳しくご紹介します。
カラット(Carat)|重量を示す単位

カラットとは?
「カラット(ct)」はダイヤモンドの重さを示す単位で、1カラット=0.2グラムに相当します。古代ではイナゴ豆(カロブ)の実が計量の基準として使われていたことが語源となっています。鑑定書には通常、小数点第2〜3位までの数値で記載され、1カラット=100ポイントとして扱われることもあります。たとえば0.25ctは25ポイントと表現されます。
カラットが大きいほど価値が高い?
一般的に、カラット数が大きいほど希少性が高まり、価格も上がります。
ただし、同じ重さでも「カラー」「クラリティ」「カット」が異なれば価値も大きく変動します。
世界最大のダイヤモンド「カリナン」
発見された中で最大のダイヤモンド原石は約3,100カラットの「カリナン」。イギリス王室に寄贈され、9つの大きなダイヤモンドにカットされました。その中でも最大の「カリナンⅠ」は530.20カラットで、現在もロンドン塔に保管されています。
カラー(Color)|色の透明度と価値の関係

ダイヤモンドに色がある?
一見無色に見えるダイヤモンドですが、実際にはD~Zの等級に分類され、無色透明なものほど高い評価を受けます。Dが最高ランクで、Zに近づくほど黄色みが強くなります。
等級の判定方法
色味の違いは非常に微細なため、熟練した専門家が理想的な照明環境下で判別を行います。一般的に、D~Gランクまでが「無色」とされ、高い価値を持ちます。
ファンシーカラーダイヤモンドの魅力
一方で、自然界に存在するカラーダイヤモンドも人気があります。ピンク、ブルー、グリーン、パープルなどの「ファンシーカラーダイヤモンド」は極めて希少で、コレクションや投資対象としても注目されています。例として有名なのが「ホープダイヤモンド」で、幻想的なブルーの輝きを放ちつつ、不吉な逸話でも知られています。
クラリティ(Clarity)|透明度と内包物の有無

クラリティとは?
クラリティは、ダイヤモンド内部および表面のキズや不純物の有無を評価する基準です。不純物(インクルージョン)や表面の傷(ブレミッシュ)の数や大きさ、位置によってランクが決定されます。
クラリティのグレード一覧
最も透明度が高い順に以下の通りです:
- FL(フローレス)
- IF(インターナリーフローレス)
- VVS1 / VVS2(ごくわずかな内包物)
- VS1 / VS2(非常にわずかな内包物)
- SI1 / SI2(わずかな内包物)
- I1 / I2 / I3(肉眼で確認できる内包物)
一般的にVS2以上であれば、肉眼では内包物が確認しにくいため、実用的な基準として選ばれることが多いです。
天然の証としての内包物
完全無傷のダイヤモンドは非常に珍しいため、内包物や傷は「天然ダイヤモンドの個性」とも言えます。美しさと共にその唯一性も楽しみましょう。
カット(Cut)|輝きを生み出す職人の技術

カットの役割とは?
カットは唯一、人の手によって評価が左右される基準です。
原石の美しさを最大限に引き出すためには、正確でバランスの取れたカットが必要不可欠です。
一般的なカットスタイル
現在最も多く流通しているのがラウンド・ブリリアントカット(58面体)です。これは、数学者かつダイヤモンドカッターであったマーセル・トルコフスキーによって理論化されました。
カットグレードの評価
カットの品質は以下のグレードで評価されます:
- Ideal(理想的)
- Excellent(優秀)
- Very Good(良好)
- Good(標準)
- Fair(可)
- Poor(劣)
Very Good以上のカットグレードが、見た目の美しさと資産価値の両面でおすすめです。
ダイヤモンド選びにおいて4Cが重要な理由
これらの4Cは、ダイヤモンドの鑑定書(グレーディングレポート)に記載され、客観的価値を証明する材料になります。一部の広告では「カラット数」のみを強調するものもありますが、正しい知識で総合的に判断することが重要です。自分の好みや用途、予算に応じて4Cのバランスを見極めれば、唯一無二のダイヤモンドとの出会いがきっと叶うでしょう。