エメラルドカットダイヤモンドの品質の見分け方
最終更新日:2025/08/08


大嶋 雄介
2010年にゴールドプラザに入社し、千葉店の店長として3年間で月間売上の最高記録を達成。鑑定士としてのキャリアをしっかりと積み上げました。その後、集客の戦略構想やSNSを活用したPR活動をしながら、リサイクル業界への深い理解と経験を積みました。現在は貴金属の換金業務に従事し、金融相場や市場動向の分析を通して緻密な専門知識を深化させています。BSテレ東「なないろ日和」などに出演。
◾️ 目次
緑色に輝く宝石エメラルドの形から名付けられた「エメラルドカット」。
ダイヤモンドでは比較的珍しいカットで、独特の落ち着いた輝きと品格を備えています。かつては日本で「着物姿に合うダイヤモンド」として人気を集め、現在も根強いファンを持つカットです。
ここでは、エメラルドカットダイヤモンドの特徴や品質の見分け方について詳しく解説します。
エメラルドカットダイヤモンドとは
エメラルドカットは、もともとエメラルド(特にコロンビア産)の美しさを引き出すために考案されたカット方法です。六方柱形の原石を活かすことでロスを最小限に抑えられるため、エメラルドでは一般的ですが、ダイヤモンドでは全体の2%未満という希少さを誇ります。ダイヤモンドにおいては、原石の形や質が厳選されなければならず、特に透明度とバランスが重要です。ラウンドブリリアントカットのような強い輝きはないものの、静かな輝きと素材本来の美しさを堪能できるのが特徴です。
エメラルドカットの特徴と構造
ステップカットの構造
エメラルドカットは、ガードル(宝石の上面と下面の境界線)に平行する段状のファセットを持ち、角を落とした長方形または正方形の形状をしています。
ファセットは階段状に配置され、シンプルながら奥深い輝きを生み出します。
魅力と個性
- 透明度の高さが際立つ:不純物や結晶構造がはっきり見えるため、素材の質がそのまま評価に直結します。
- 落ち着いた輝き:派手さは控えめながら、洗練された上品さを演出します。
- 希少性:ダイヤモンド市場全体の中で非常に流通量が少ないカットです。

エメラルドカットダイヤモンドの品質の見分け方
1. 透明度(クラリティ)の確認
エメラルドカットは内部まで見通せるため、クラリティグレードは非常に重要です。
SIクラス以下では内包物が肉眼でも見えやすく、VSクラス以上がおすすめです。
2. カットバランス
ファセットの比率や角度が均整の取れているか、縦横の比率が美しいかを確認します。
角の処理(カットコーナー)が均等であることも大切です。
3. 実物での確認
照明条件や角度によって輝き方が変わるため、複数の環境で観察するのが理想です。
ルーペだけでなく肉眼で見て、全体の印象や透明感を確かめましょう。
4. サイズと存在感
エメラルドカットは同カラットのラウンドよりも大きく見える傾向がありますが、その魅力を最大限楽しむには1.5カラット以上・ジェムクオリティが推奨されます。
エメラルドカットダイヤモンドを選ぶ楽しみ方
エメラルドカットは、ジュエリーのデザインよりも原石そのものの美しさを引き立てるため、素材選びが特に重要です。また、和装との相性が良く、特別な場で着物に合わせて身に着ければ、日本の伝統美とダイヤモンドの上品さを同時に楽しめます。
まとめ
エメラルドカットダイヤモンドは、派手な輝きよりも透明度とバランスを重視したカットです。
そのため、品質を見極めるにはクラリティやカットの精度を入念に確認することが不可欠です。
希少性が高く、一生もののジュエリーとしても選ばれる価値のあるカットです。もし理想の一石を見つけたら、ぜひその静かな輝きを存分に楽しんでください。