ファイヤーキング(Fire-King)とは

2024/10/01

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古き良きアメリカの大衆文化を象徴する耐熱ガラス食器ブランド「ファイヤーキング(Fire-King)」。個性豊かな風合いを持つミルクガラスとポップなデザインが特徴のヴィンテージ食器は、世界中多くのコレクターを魅了し続けています。今回はそんなブランドの歴史や魅力、人気シリーズについて紹介させていただきます。

ファイヤーキング(Fire-King)の歴史

アメリカン・ポップカルチャーシーンには欠かせない、レトロな風合いが人気の耐熱ガラス食器ブランド「ファイヤーキング(Fire-King)」。ミルクガラスと呼ばれる職人技により手間暇かけ生み出す乳白色の色合いや、古き良きアメリカを象徴するデザインやプリント柄が有名で、1986年までアメリカ本国で生産されていたアイテムたちは“ヴィンテージ・ファイヤーキング”と言われコレクター垂涎の的として知られています。この度はそんな「ファイヤーキング(Fire-King)」の歴史や魅力、人気のシリーズについてお話しさせていただきます。
1905年にアイザック・J・コリンズと仲間6人が、アメリカ合衆国オハイオ州ランカスターにてガラスメーカー「ホッキンググラス社」を創業し、その後数社と合併を繰り返しながら事業規模を拡大、オーブンでも割れにくい耐熱強化ガラスの製造に成功します。1937年には社名を「アンカーホッキンググラス社(1969年アンカーホッキング社へ)」に変更し、1941年同社のブランドとして「ファイヤーキング(Fire-King)」が産声をあげます。
スタート当時は、第二次世界大戦中ということもあり売り上げは低迷したものの、その後ベビーブームや経済の発展にともないアメリカの家庭の定番食器として、またレストランウェアなどの業務用食器として、丈夫な耐熱ガラスのアイテムの人気はたちまちアメリカ全土に広がっていきました。またメーカーや企業等のロゴをはじめ、スヌーピーなどの人気キャラクターをプリントしたアドバタイジング(企業広告)用の食器も展開し、ブランドは黄金期を迎えます。古き良きアメリカと言われた1940年代~60年代の「ファイヤーキング(Fire-King)」は、まさにその象徴として愛されました。
しかし、高品質の材料を使いながら手間のかかる昔ながらの工程で作るアイテムはコスト面や人材育成等で会社の経営を圧迫し、 1986年ウエストバージニア工場の閉鎖とともに生産が終了します。残されたアイテムたちは、のちに世界中のバイヤーやコレクターたちの間で“ヴィンテージ・ファイヤーキング”として高値で取引されることになります。
2000年には「ファイヤーキング(Fire-King)」生誕60周年を記念し、アンカーホッキング社から復刻版として「ファイヤーキング 2000」シリーズがブラジルの工場で製造されましたが、オリジナルより大きく重く製造工程も忠実に再現されたものではありませんでした。
月日は流れ、ヴィンテージ市場において世界中でファンを持つファイヤーキング(Fire-King)のアイテムを“アンティークだけで終わらせたくない。現代に蘇らせたい”といった熱い想いから、日本の東北地方にある老舗ガラス工場の職人たちと、アンカーホッキング社の協力を得て当時のミルクガラス製品の製造レシピを元に、試行錯誤を重ねながら現代では難しいと言われていた当時の製法を再現し、2011年に「ファイヤーキングジャパン」として復活を果たします。ひとつひとつハンドメイドにより蘇ったアイテムは、アンカーホッキング社とのパートナーシップにより、日本製の「Fire-King Heritage」シリーズとして現在まで継承されています。
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ファイヤーキング(Fire-King)の魅力

「ファイヤーキング(Fire-King)」の魅力といえば耐熱性の高いガラス素材に加え、一つ一つ職人の手仕事による風合いがたまらないミルクガラスの質感、ブランドを代表する翡翠色のジェダイをはじめとするカラーレパートリーの豊富さ、実用性とアートを兼ね備えたデザインやフォルムなど枚挙にいとまがありません。ここからはそんな「ファイヤーキング(Fire-King)」の魅力を挙げてみます。

魅力1:耐久性や実用性の高さ

ファイヤーキング(Fire-King)のアイテムの特徴は、耐熱ガラスで製造されているため熱いモノや冷たいモノに対して耐久・耐熱性が優れている点にあります。また長い間使用しても経年劣化が少ないと言われており、ヴィンテージ品といったコレクターアイテムも日常使いの食器として使えるため、実用性を兼ね備えた魅力が存在します。

魅力2:ミルクガラス

絶妙な優しい透け感が特徴のミルクガラスは、ファイヤーキング(Fire-King)の象徴と言っても過言ではありません。耐熱性の高い独自配合のホウケイ酸ガラスを使用し、ハンドメイドで作る乳白色の独特な質感と色合いは個体差が生じるため、一つ一つオリジナリティのあるアイテムとなりコレクターを魅了し続けています。

魅力3:カラーレパートリー

カラーレパートリーの豊富さもファイヤーキング(Fire-King)の魅力です。ミルクガラスに色を練り込んだシリーズや、後から色を吹き付けたシリーズがあります。

【ジェダイ】

ブランドを代表するカラーといえば「ジェダイ(ジェイド・ジェード・ジェイダイトと呼ばれることも)」。1940年代~60年代におけるオリエンタルブームの影響を受け、宝石の翡翠(ひすい)をイメージしたカラーリングです。

【ターコイズブルー】

1956~58年のわずか3年間しか生産されず、その希少性の高さからコレクターにも人気の高いカラーです。ジェダイと並びファイヤーキングColored Milk Glassの双璧として、その神秘的な美しさが人々に愛されています。

【アズライト】

ターコイズブルーより透明感のあるブルーが特徴のアズライトは、ジェダイと同様に宝石をモチーフにしたカラーです。気品に満ちたロイヤルブルーのミルクガラスは、チャームやスワールシリーズで頻繁に採用されました。

【アイボリー】

象牙のような黄色を帯びたホワイトのカラーリングで、多くのシリーズに採用された人気カラーです。特にマグカップ等は、コーヒーやココアなどの色の濃い飲み物と相性がとても良いことで知られています。

【ホワイト】

どんなシチュエーションにもぴったりの清潔感のあるシンプルなホワイトのカラーリングで、こちらも多くのシリーズに採用された定番カラーです。

【ローザイト】

優しい淡いピンク色が特徴のカラーリングで、現行のファイヤーキングジャパンからも多くのアイテムが展開されています。ヴィンテージ品は生産数が少なく希少なことから、コレクター憧れのカラーとして知られています。

魅力4:デザイン

ぽってりとした厚みのあるフォルムが特徴的なシリーズなどデザイン性も豊かで、そのレトロな風合いはインテリアとも相性が良く、雑誌や映画の小物としても利用されています。特にマグカップは多彩なデザインを展開しており、人気アイテムとして注目されています。また他にも、すでに生産が終了したヴィンテージアイテムには、製造の時期がわかるバックスタンプと呼ばれる刻印が年代ごとに製品の底面にあり、コレクター心をくすぐる魅力の一つとなっています。
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ファイヤーキング(Fire-King)の人気シリーズ

「ファイヤーキング(Fire-King)」のアイテムは、マグカップ・カップ&ソーサー・プレート・ボウル・花瓶・灰皿など多岐にわたります。ここではヴィンテージ中心に数あるアイテムをデザイン展開した人気シリーズを紹介します。

キンバリー(Kimberley)

ダイヤモンドの産地として有名な都市“南アフリカ共和国キンバリー”が由来とされる「キンバリー」シリーズは、ダイヤモンドをモチーフとしたデザインで大変人気の高いラインとして知られています。特にカラーバリエーションが豊富で、レアカラーと呼ばれる希少な色のアイテムはコレクター垂涎の的です。

アリス(Alice)

1945~49年に生産された初期のシリーズで、薄いミルクガラスに花柄をあしらった上品な雰囲気のラインです。カップ&ソーサーとディナープレートのみの展開で、現存数が限られておりその希少性の高さからレアアイテムとして知られています。

ジェーンレイ(Jane Ray)

1946~65年にかけて生産されたブランドを代表するロングセラーシリーズです。放射線状の模様が美しいデザインは、当時のアメリカでもジェダイカラーを中心に爆発的な人気を博しました。

レストランウェア(Restaurant Ware)

1948~67年にかけて生産されたシリーズで、名前の通りレストランをはじめ学校・軍の施設・教会などの業務用として展開されました。他のシリーズと異なり実用性を重視し、丈夫でシンプルなデザインが特徴です。

1700ライン(1700 Line)

1946年~58年に生産されたシリーズで、ブレックファーストセットやディナープレートなどが有名です。シンプルなデザインから「レストランウェア」シリーズと混同されることが多いですが、「1700ライン」シリーズの方が全体的に薄く作られています。

スワール(Swirl)

1949年~62年に生産されたシリーズで、丸みを帯びた上品なフォルムと柄が特徴です。スワールとは“渦巻く”の意味で、その名の通り渦を巻いたデザインが施されています。

チャーム(Charm) 

1950年~56年に生産されたシリーズで、スクエア型(四角)の丸みのある斬新なデザインが特徴です。

シェル(Shell)

1965年~76年に生産されたシリーズで、名前の通り貝殻をモチーフにした螺旋状のデザインが特徴です。主要カラー以外に、珍しい真珠層仕上げのカラーアイテムも存在します。

またシリーズ以外にも絶大な人気を誇るマグカップは、ブランドのアイコン的な「Dハンドルマグ」をはじめ、「スタッキングマグ」「ソーダマグ」「エキストラヘビーマグ」など複数デザインを展開しております。現在もそれらのマグカップはファイヤーキングジャパンに引き継がれており、企業や人気キャラクターとのコラボ企画やアドバタイジング(企業広告)など精力的に発表しております。最後に、ヴィンテージと呼ばれるファイヤーキング(Fire-King)のアイテムは世界中に多くのファンを持ち、中古市場においても高値で取引されるケースがあります。お家に眠るファイヤーキング(Fire-King)製品がございましたら、どのくらいの価値になるのか査定に出してみるのも面白いでしょう。