グッチの歴史

2016/04/01

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世界に数あるファッションブランドの中でも、元祖的な存在と言われているグッチ。

今から約100年前に創業して以来、著名人も含め多くの人々に愛され続けているブランドです。

そんなグッチですが、会社の立ち上げからこれまで、どのような歩みを送ってきたのかをご存知でしょうか。

そこで今回は、グッチをより詳しく知るべく、これまでの歴史について紹介しましょう。

グッチの製品作りに役立った創業者のホテル勤務時代

グッチの創業者であるグッチオ・グッチは、1881年にイタリア・フィレンツェで生まれました。

父親が小さな会社を経営していたものの、グッチオ自身は機関助手として、蒸気船で働きながらイギリスへ渡り、ロンドンで最高級のサボイ・ホテルに就職します。

そして、そこを訪れる王侯貴族たちと接しているうちに、自然と彼らの価値観などについて知ることになります。

このときの経験は、後に立ち上げた「グッチ」の製品作りに役立ったと言われています。

故郷で創業、そして人気ブランドへ

その後、グッチオは1901年に故郷のフィレンツェへ戻りますが、第一次世界大戦時に徴兵されます。

そして、終戦後に再び故郷へ戻り、1921年に鞄工房を創業。

その1年後に「GUCCI」という店名にしました。

グッチ創業当初は、職人手作りの皮製品を主に扱っていましたが、1939年に第二次世界大戦が始まると、皮革製品の製造が統制され始めてしまいます。

そこで、この時期に代用として使ったのが、コーティングをしたキャンパス地。

この製品の配色が、幸運にも人気を博すのです。

1947年には、「バンブーハンドル・ハンドバッグ」が登場します。

これは、戦後の経済統制のためにイタリアで牛革が不足していたことから、バッグのレザー部分を少しでも減らせないかという考えにより、ハンドルを竹製にしたと言われている製品です。

これも、後にグッチ製品のアイコンとなるほどに、大ヒットをすることとなります。

こうして世相の影響を受けつつも、その度にアイデアを駆使して乗り越えていき、徐々に人気ブランドとして成長していきます。

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著名人にも愛される世界的なブランドに

2代目のアルド・グッチがニューヨーク支店をオープンした1953年夏に、グッチオは死去します。

しかしその後、パリやロンドンといった世界の主要都市に出店した1960年代には、オードリ-・ヘップバーンやグレース・ケリーといった女優たちがグッチを愛用したことで、シックなハリウッドスタイルの代名詞的なブランドになっていきます。

さらに、元アメリカ大統領のJ.F.ケネディの妻であるジャックリーン・ケネディも、グッチのバッグを愛用していたと言われています。

そして1966年頃、後にアイコンの1つとなる「フローラルシルクスカーフ」を、グレース・ケリーのために作成。

60年代の終わり頃からは、現在のグッチ・モノグラムの起源となる「GG」マークを採用。

これは、創始者グッチオ・グッチの頭文字からデザインされたものです。

1970年代には、香港や東京という極東まで出店。

アルドの代で店舗数は500にまで増え、世界的なブランドへと成長します。

経営危機から再び人気ブランドへ

このように、高級ブランドとしての地位を築いたグッチでしたが、1980年代になると財産問題など、血族間でのスキャンダルが勃発。

さらに、世の不況のあおりに加え、「GG」マークが入った塩化ビニール製品が大量生産されたことによって、ブランドとしての希少価値が失われてしまいました。

これらのような複数の理由が重なった結果、グッチは深刻な経営危機に陥ります。

その結果、株式のほぼ全てをInvestcorp社に売却してしまいます。

そんなグッチを救ったのは、2人の人物。

1人目は、1989年に副社長兼クリエイティブディレクターに就任した、ドーン・メロウ。

市場に溢れ過ぎていた商品の種類を絞った後に発表した、現代的な要素を加えた伝統的なバッグが、世界的に話題となります。

2人目は、1994年にクリエイティブディレクターに就任した、トム・フォード。

時代に合わせた製品を次々と生み出したことで、倒産の危機を脱出。

こうしてグッチは、再び世界的な人気ブランドへと返り咲きます。

現在も多くの人々がバッグなどの製品を愛用しているグッチ。

近年では、2011年にPPR(現ケリング)によって買収され、100%子会社化となるなど、創業から現在に至るまで、困難という名の波に何度も煽られ、その度に乗り越えて行きました。

そういう意味では、世界に数ある高級ブランドの中でも、より底力を持つファッションブランドと言えるのではないでしょうか。