ヴィトンモノグラムとは?その歴史
2016/01/05
100年以上も多くの人々を惹きつけ続ける、ルイ・ヴィトンの代名詞とも言えるモノグラム。
ここでは、ベーシックなモノグラム・キャンバスの歴史や誕生にまつわるエピソード、またその魅力についてご紹介しましょう。
モノグラムの歴史
ルイ・ヴィトンがパリに旅行バッグ専門店をオープンしたのは1854年。
その当時のトランクは、丸みを帯びた蓋のものが主流で、これは馬車の後ろに積んだ際に、雨が流れ落ちるように工夫されたものでした。
しかしルイ・ヴィトンは、これからの旅行は船や機関車などでの移動が主流になると思い、そういった乗り物の中で積み上げやすいよう平らなバッグを販売します。
形状だけでなく、軽量で防水加工した素材を使用するといった工夫により、非常に機能性に富んだものだったため、当時の上流階級に大変な好評を得ることとなります。
創業から40年ほど経った1896年、モノグラムの初代となる「モノグラム・キャンバス」が誕生。
このラインを生み出したのは、創業者ルイ・ヴィトンの長男である2代目のジョルジュ・ヴィトンで、ルイ・ヴィトンがこの世を去って4年後のことでした。
その後1959年に、現在使用されている素材と同じトアル地のモノグラム・キャンバスを3代目のガストン・ヴィトンが発表しました。
モノグラムの由来
モノグラムは、当時のヨーロッパで流行していたジャポニズムの影響受けて生み出されたものです。
ちなみに「モノグラム」というのは英語で、「組み合わせた文字」という意味。
創業者ルイ・ヴィトンの頭文字であるLとVを組み合わせたロゴ、それに日本の家紋からヒントを得て作られた星や花のモチーフを配したパターンは、今やルイ・ヴィトンの象徴とも言えるでしょう。
模倣防止として生み出されたパターン
創業以来、実用性の高さと確かな品質で評価を受けてきたルイ・ヴィトンですが、1つ大きな問題を抱えていました。
それまで発表した「グリ・トリアノン・キャンバス」や、「レイエ・キャンバス」などが比較的簡単なモチーフだったため、発表後すぐにコピー商品が出回ってしまっていたのです。
そこで「レイエ・キャンバス」は、1888年にルイ・ヴィトンの名前を入れて商標登録を行った「ダミエ・キャンバス」として、新たに生まれ変わります。
その後も、モノグラムにより複雑なモチーフを入れたり、プリントではなく職人が一つ一つ手書きしたりなど、模倣防止に力を注ぎます。
こうしたさまざまな対策がとられたことが功を奏し、ルイ・ヴィトンの商品が模倣されることが減少しました。
ルイ・ヴィトンの模倣品(偽物)を見分ける方法は、ヴィトンの偽物を見分ける方法でご紹介していますので、ご興味のある方はご覧ください。
モノグラム・キャンバスに使用されている樹脂加工されたトアル地は、耐久性や防水性がある上、表面に傷が付きにくい特徴もあります。
また、表面のコーティングやプリントは、職人の優れた技術で施されており、ロゴが正対するように細心の注意を払って生産されています。
このように丈夫で高品質でありながら、洗練されたデザインであることが、モノグラムの魅力だと言えるでしょう。