パネライ(PANERAI)の歴史

2017/01/24


そのデザインは一見するとシンプルではありますが、調べてみると意外にも種類が豊富なパネライ。
創立してから100年以上は経っているものの、1992年までイタリア海軍に属していた為、正式に表舞台へと立つのは1993年からとなります。
長年にわたり海軍をサポートしてきたその高機能を誇るパネライについてご紹介していきましょう。

歴史に名を残した2つの高級時計

1860年、ジョバンニ・パネライがイタリアのフィレンツェに時計店を構えたのがパネライの始まりとされております。
正式名称はオフィチーネ・パネライ。

実は時計のみではなく精密機器メーカーとしても始動し、温度計や気圧計などを製造します。
これは現代においても変わりません。

やがて精密機器メーカーとしての高い技術力がイタリア海軍の耳に入り、軍専用の時計製造の依頼を受けることになります。
依頼内容は潜水部隊用にダイバーズウォッチを製造して欲しいというものでした。

パネライは、防水性能に関してのノウハウをあのロレックスからオイスターケースを参考にその技術力を提供してもらったという話があります。

1940年に完成されたのが「ラジオミール1940」です。
ラジオミールの特徴は、夜光塗料であるラジオミールが文字盤に使用されており、暗い場所においても瞬時に時間を視認する事が可能です。
名前の由来にもなっていますね。

もう一つの特徴はベルトが通常よりも長い点です。
これは潜水服の上からでも巻けるようにというのが狙いです。
それから11年後の1949年にラジオミールに代わって新たな夜光塗料である「ルミノール」を開発し、翌年には「ルミノール1950」が海軍のサポートとして活躍します。

ちなみに、ラジオミール、ルミノールの大きな違いですが「リューズプロテクター」が付いているのがルミノールです。
また、ラジオミールのラインナップは革ベルトのみとなっております。

時代と共に民間向けへ

第二次世界大戦が終了し、時代が戦争から冷戦へと移るにつれ、イタリア海軍が新たな軍事用品の生産を行うことがなくなっていきます。
クォーツ時計が出てきた事も影響されついに海軍はパネライへの依頼をしなくなりました。

そこで1993年にパネライは民間向けへとシフトチェンジします。
そして同じ年の9月に「ルミノール」「ルミノールマリーナ」「マーレ ノストゥルム」を発表するのですが、その発表がされた場所はイタリア海軍の巡洋艦「ドゥランド・デ・ラ・ベンネ」号の船上だったそうです。

パネライにしか実現出来ない何とも粋な計らいですね。

それから5年後の1997年。
パネライは、「カルティエ」「ランゲ&ゾーネ」「IWC」など数々の高級時計を傘下にしているリシュモングループへと加入し国際デビューを果たします。
これを機に高級時計市場にも参入し一気に知名度を上げてきます。

2010年以降はイタリアのトスカーナ地方出身のガリレオ・ガリレイによる初の天体望遠鏡観測400周年を記念し、「ラストロノモ」「ロ シエンツィアート」「ジュビテリウム」を発表。

「ジュビテリウム」には永久カレンダーが備えられており、翌年2011年にはブロンズ(銅)を備えたモデル、「ルミノール サブマーシブル 1950 スリーデイズ オートマチック ブロンゾ」を発表。

ブロンズがパネライと深く関わりのある海を連想させますし、年期の入った様な味わい深さを感じさせますね。

長年にわたり暗い海の底で活躍してきたパネライは今後も
地上において時計愛好家や沢山の人々の為に時を刻み続けていくことでしょう。