日本では取れない?ダイヤモンドの産出国とは

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大嶋 雄介
著 者

大嶋 雄介

2010年にゴールドプラザに入社し、千葉店の店長として3年間で月間売上の最高記録を達成。鑑定士としてのキャリアをしっかりと積み上げました。その後、集客の戦略構想やSNSを活用したPR活動をしながら、リサイクル業界への深い理解と経験を積みました。現在は貴金属の換金業務に従事し、金融相場や市場動向の分析を通して緻密な専門知識を深化させています。BSテレ東「なないろ日和」などに出演。

私たちがジュエリーとして目にする美しいダイヤモンドは、一体どの国で採掘されているのでしょうか?本記事では、2024年最新データをふまえて、世界の主要産出国を詳しくご紹介します。


ダイヤモンド最初の発祥地はインドだった?

インドでの初発見とその後の移行

ダイヤモンドの最古の発見はインドであり、長い間世界における主な産地でした。しかし18世紀以降、ブラジルをはじめとする他地域で鉱床が見つかるようになり、世界のダイヤモンド産出構造が大きく変化しました。


2024年現在のダイヤモンド産出国ランキング

世界全体の生産動向(2024年)

2024年の世界全体の原石ダイヤモンド生産量は約1億1,800万カラットで、前年から6%増加。一方、総生産額は前年比10%減少し、約114.8億ドルとなりました。

生産量(カラット)ランキング(2024年)

  1. ロシア:約3,732万カラット
  2. ボツワナ:約2,818万カラット
  3. アンゴラ:約1,402万カラット
  4. カナダ:約1,332万カラット
  5. コンゴ民主共和国:約978万カラット
  6. 南アフリカ:約534万カラット
  7. ジンバブエ:約529万カラット
  8. ナミビア:約232万カラット
  9. レソト:約70万カラット
  10. シエラレオネ:約57万カラット

生産額(百万USD)ランキング(2024年)

  1. ロシア:約3,335百万ドル
  2. ボツワナ:約3,308百万ドル
  3. アンゴラ:約1,412百万ドル
  4. カナダ:約1,075百万ドル
  5. ナミビア:約967百万ドル
  6. 南アフリカ:約662百万ドル
  7. レソト:約232百万ドル
  8. ジンバブエ:約164百万ドル
  9. コンゴ民主共和国:約106百万ドル
  10. シエラレオネ:約103百万ドル

各国の特筆ポイント

  • ロシア:世界最大の産出量国で、ALROSA社が約27%の世界シェアを占める。
  • ボツワナ:生産額トップクラスで、GDPの約25%、輸出の約80%をダイヤモンドが占める国です。
  • ジンバブエ:Marange鉱区では、大量の原石(カラット当たりの価格は安価)が採出されていますが、その一部は紛争・非合法採掘問題とも関係しています。

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ダイヤモンドの採掘方法

バンニング(洗い掘り)

川砂などを流して中から原石を取り出す、およそ最も原始的な採掘法。

パイプ鉱床(ベントナイト鉱床)

地中深くに横穴や縦穴を掘り、鉱床から直接原石を採掘する方法。大量採掘が可能となり、産出量が飛躍的に向上。

漂砂鉱床(プレーシャル鉱床)

流水によって海岸や川に運ばれた砂の中からダイヤ原石を取り出す方法。


紛争ダイヤモンド(血塗られたダイヤモンド)の問題

アフリカ各地では、貧困や内戦の資金源としてダイヤモンドが利用される悲しい現実があります。国際社会は「紛争ダイヤモンド」の流通防止に向けて取り組んでいますが、依然として根絶には至っていません。


日本から見たダイヤモンド産出事情

  • 日本ではダイヤモンドの天然採掘は確認されていません(2024年時点で「0カラット」)。
  • したがって、日本で流通するダイヤモンドはすべて輸入もしくは加工品です。

結論:産出国を知ることがもたらす価値

世界で採掘されるダイヤモンドの多くはロシアやアフリカ諸国が担っており、日本では一切採れません。最新データを踏まえれば、生産構造や価値観にさらに興味深い側面が見えてきます。歴史、社会問題、国際経済など、ダイヤモンドについて知ることで、その奥深さを感じられるでしょう。