世界最大級のブランドグループ「LVMH 」のティファニー買収について

2019/12/05

高級ブランドの複合企業体(コングロマリット)の巨人、フランスの「LVMH (モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)」が、アメリカの高級宝飾品ブランド「ティファニー(TIFFANY & Co.)」に買収を提案したことが、最近話題にあがりました。今回は、なぜこのような話になったのか、その理由について触れてみたいと思います。
ブランド買取バナー画像①

LVMH (モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)の現状

まずは「LVMH (モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)」についてですが、ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)を筆頭にブルガリ(BVLGARI) 、セリーヌ(CELINE)、ベルルッティ(Berluti)、タグ・ホイヤー(TAG Heuer)、フェンディ(FENDI)といった世界に名だたる70以上のブランドを傘下に持つ、フランスのコングロマリット(複合企業体)になります。
カルティエ(Cartier)・ヴァンクリーフ&アーペル(Van Cleef & Arpels)・ピアジェ(PIAGET)・インターナショナルウォッチカンパニー(IWC)などを傘下に持つスイスのリシュモン(Richemont)と、グッチ(GUCCI)・バレンシアガ(BALENCIAGA)・ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)などを傘下に持つフランスのケリング(KERING)」と並び、「欧州3大グループ企業」や「世界3大ラグジュアリー・コングロマリット」などと呼ばれています。

その設立は、1987年にシャンパンの「ドン・ペリニヨン」や「モエ・エ・シャンドン」、ブランデー(コニャック)の「ヘネシー」で有名なモエ・へネシー社とルイ・ヴィトン社の合併により始まります。
その後、業績低迷に苦しむ世界の名門ブランドを安値で買収し、資産価値を高め次々と再生させ、世界最大級のグループへと成長を遂げます。
この巨大帝国を築き上げた人物こそが、現・会長兼最高経営責任者(CEO)であり、「カシミヤを着たオオカミ」や「ファッション界の法王」「ターミネーター」などの異名を持つベルナール・アルノーです。
彼は、冷徹な経営スタイルと買収を決めたブランドをことごとく手中に収めるさまから、そう呼ばれているそうです。
もっともすべての買収が成功しているわけではなく、1991年にはグッチ(GUCCI)、2013年にはエルメス(HERMÈS)の買収に失敗しています。
一方で「資本の論理」を業界に持ち込んだ革命児であり、LVMH (モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)は服飾・宝飾品ばかりでなく、香水・化粧品、酒類など多岐にわたり展開しています。
また、マーケットとして手薄だった中国などを筆頭に、海外に販路を積極的に拡大させました。特にルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)は、グループの利益の4割を稼ぎ出すほどのめざましい成長を遂げます。

現在、世界の高級ブランドの多くは3強と呼ばれる3大ラグジュアリー・コングロマリットのいずれかに吸収されつつあります。
2018年12月期通期の売上高は、1位がLVMH (モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)の約468億ユーロ(約5兆6100億円)という物凄い売上高を誇っています。
売上の割合で言うとルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)を筆頭とした服飾・皮革や酒類が主な割合を占め、割合として一番小さかったのは時計・宝飾品の9%・約41億ユーロでした。
逆に売上高2位のリシュモン(Richemont)は、カルティエ(Cartier)やヴァンクリーフ&アーペル(Van Cleef & Arpels)といったブランドで時計・宝飾品だけでも売上高は約100億ユーロを超え、売上高3位のケリング(KERING)もまたグッチ(GUCCI)を筆頭に時計・宝飾品がグループ全体の売上高の6割を占めていました。
結果、LVMHは競合と比べ手薄で見劣りする「時計・宝飾品」部門の強化に乗り出し、まだどのグループの傘下にも入っていない、世界的な知名度を誇るアメリカの高級宝飾品ブランド「ティファニー(TIFFANY & Co.)」に、白羽の矢を建てたのです。

ルイ・ヴィトン(louis vuitton)買取バナー画像

ティファニー(TIFFANY & Co.)が置かれた立場

1837年に創業した、アメリカを代表する宝飾品ブランド「ティファニー(TIFFANY & Co.)」。
世界5大ジュエラーの一つであり、オードリー・ヘプバーンが主演した映画「ティファニーで朝食を」は、ブランドの世界的知名度と人気を確立させました。
また、ティファニー(TIFFANY & Co.)の象徴といえば、ブランドカラーである「ティファニーブルー」、今や婚約指輪の主流である「ティファニーセッティング」や「オープンハート」のペンダントなどが有名です。
現在、世界で約300店舗以上を展開し、2019年1月期の売上高は44億4210万ドル(約4797億円)になります。ちなみに売上の約4分の1が婚約指輪だそうです。

ティファニー(TIFFANY & Co.)は、世界的に人気のあるブランドですが、特に本国アメリカ以外の巨大マーケットで言いますと中国で絶大な人気を誇っていました。しかし、近年は米中関係の悪化のあおりを受け、アメリカを訪れる中国人観光客の減少や、香港のデモなどの影響で、収益環境が悪くなる一方です。
そもそも、どのグループにも属さない、いわゆる「独立系」ブランドであるティファニー(TIFFANY & Co.)とっては、厳しい立場に置かれているのは明白でした。
ここに目を付けたのがLVMHで、ティファニーを買収できれば宝飾品市場におけるシェアは第1位の約18%となり、ライバルグループを追い上げる体制を整えられる。一方、ティファニーは、低調な中国マーケットに先行きの成長戦略が描けないでいる。
そんな状況の中、2019年10月に買収提案の話が持ち上がったのです。

また、今回の買収劇にはどちらにも恩恵があり、LVMHにおいては、ティファニーを買収することで売上高は日本円で約6兆円を超え、競合に圧倒的な差を付けられます。そして、同じ時計・宝飾品部門の傘下ブランド「ブルガリ(BVLGARI)」とは、顧客層が違うため互いに食い合うことなく相乗効果が期待でき、世界に通用するティファニーのブランド力を利用し、ターゲット層の拡大を狙えます。

一方、ティファニーは巨大資本の傘下に入ることで、広告費など莫大にかかっていたコストが削減でき、さらにLVMHが前述の「ブルガリ(BVLGARI)」を2011年に約4200億円で買収し、見事収益を改善させ成長につなげた実績から、業績改善に苦労しているティファニーにとっては、収益環境を改善できるチャンスであり、まさに渡りに船といった感じではないでしょうか。
ティファニー高価買取

そして買収合意へ

日本時間2019年11月25日に、LVMH (モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)のティファニー(TIFFANY & Co.)買収が基本合意に達したとの発表が世界に発信されました。
買収総額は約162億ドル(約1兆7600億円)で、会長兼CEOのベルナール・アルノーは「我々は献身的にティファニーを発展させていく。今後数世紀にわたり成長することを楽しみにしている」と述べています。

業績低迷に苦しむティファニーが買収提案を受け入れた背景には、やはり米中貿易摩擦による不安要素が後押ししたと専門家は言っています。また、この買収によりフランスのLVMHは、アメリカでの存在感をより高めると同時に、市場における時計・宝飾品部門のポールポジションを獲得し、帝国の足場をいっそう固める方向に進み始めています。

これからの高級ブランド業界は、三国志さながらのLVMH ・リシュモン・ケリング「3強」グループの三つ巴戦国時代が訪れるのか、もしくは独立系ブランドが生き残るのか、今後の展開に目が離せません。

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