世界を魅了するティファニー(Tiffany&Co)

2017/08/11

ティファニーアトラスリングの画像
ティファニーといえば女性なら誰でも憧れるブランド。
その歴史の蓋を開けてみると、実は日本と深い繋がりがありました。

綿工場で働く青年

創業者である「チャールズ・ルイス・ティファニー」は父親の経営する綿工場で働いていました。
しかし現状に満足できなかったチャールズは仕事を辞め、1837年友人とニューヨークで小さなお店を始めました。

お店の名前は「ティファニー・ヤング」。これが「TIFFANY&Co.」の原点です。
開店当初、チャールズは通りすがりの人たちを惹きつける商品を探していました。
そんなある日、貿易船が戻ってきたと聞いた彼は港へと足を運びます。

そこで彼が目にしたのは日本製品でした。職人たちが作り上げた見事な品々にチャールズは一瞬にして虜に。
「これは絶対売れる」と確信した彼は借金をしながらも買い占めたんだそうです。
人生において最大の賭けは想像以上の売れ行き
。借金額の何倍にもなりました。
この時代まだ日本にペリーが来航していない鎖国状態だった為、珍しさとその完成された高い技術の日本製品はニューヨークを中心に話題となりました。

時代が江戸から明治に移るころ、世界の中心がヨーロッパからアメリカへと変わります。
時の流れに置いていかれてしまった欧州貴族たちは宝石、貴金属を手放しました。
そこに目をつけたチャールズは日本製品で売り上げた資金で宝石類を買い、宝飾への展開を始めるのです。

彼がつくりだした様々なマネジメントにより宝飾商売は大成功に収めます。
その一つとして、彼はたくさんの人たちに宝石を買って欲しいと1月~12月に
それぞれ宝石を決めました。これが現在でも使われている’’誕生石’’のルーツでした。
ちなみに、4月がダイヤモンドなのは当時の統計により4月生まれの人が多かった為なんだそうです

ガラスと’’SAMURAI’’に魅入られた二代目

二代目であるルイス・カムフォート・ティファニーは幼い頃から美術品に関心を持ち10代のうちに世界を飛び回ります。
感情の波が激しく、人付き合いが苦手な彼は父のチャールズのように商売には向かなかったそうです。

やがてガラス製品に行き着いたルイスは次々と作品を生み出します。
アメリカのグランド・セントラル駅の時計台に使われているステンドグラスはその代表作の一つです。

僅かではありますが、宝飾品もデザインしていたそうで現在も美術館に展示されています。
その展示品にはある昆虫をモチーフに作られているのがいくつかあります。
それはトンボです。
まるで標本のように、非常によく出来ております。

ではなぜトンボなのか。-
これはトンボの性質である「前にしか進まない」いわゆる「不転退」をかつての武士たちが好んで使っていました。
決して退くことはなく、前だけを進む。その’’侍魂’’にルイスは魅入られ、トンボをモチーフに作られたのだそうです。

ルイスは父と同じように日本を愛し、自宅には’’日本部屋’’なんてものがありました。
当時に作られたステンドグラスやガラスランプを見ると、どこかなんとなく日本の風味を感じさせます。
中でも藤の花をモチーフに作られたガラスランプは現在99万ドル。
日本円にしておよそ1億。
それだけの価値があるのです。
ルイスの作ったガラス製品は評判を呼び、一躍時の人となりました。

ーしかしー
彼が工芸家としての成功日々はそう長くは続きませんでした。

失われた技術

1929年、世界恐慌。

ウォール街の株式市場が暴落し、世界の国々に襲いかかります。
アメリカの株価は80%以上の下落、失業者数は実に1000万人を越えました。
こうなってしまった以上人々は高価なものよりも、比較的安価な生活品しか持たなくなります。

やがてルイスのガラス製品も皆、求めなくなり捨ててしまいます。
彼の弟子たちや友人は彼の元から離れていき、またルイスの妻も亡くなり孤独が彼を包んでいきました。

ルイスは亡くなる直前、自分の工芸レシピ本を燃やしてしまいその為、今では誰も彼の作ったガラス製品を表現出来ないと言われております。

いかがでしたでしょうか。
今回はティファニー一族の創設者と2代目にスポットを当てました。
どちらも歴史に名を大きく残した人物ではありますが、2代目ルイスの晩年は非常に孤独というのを感じました。
もし、時代のうねりが無かったらルイスは自身のレシピ本を燃やすことなく弟子たちに引き継がれたのかもしれません。
しかし、現在においても再現不可能というのはそれだけ高度な芸術品でありロストテクノロジー(失われた技術)がルイスの偉大さを感じさせます。

日本人ならぜひ知っていて欲しい、侍の国を愛したティファニー家の歴史でした。


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