日本が世界に誇る「吉田カバン」とブランド「ポーター(PORTER)」の歴史

2020/06/12

日本が世界に誇る老舗カバンメーカー「吉田カバン」。その吉田カバンの人気ブランド「ポーター(PORTER)」。メイド・イン・ジャパンにこだわり、その高い機能性と世代を問わないデザインで、国内外から広く愛されています。今回は、そんなバッグブランドの歴史と人気ラインナップを紹介していきたいと思います。
ポーター(PORTER)バッグ画像

「一針入魂」のカバン職人

 優れた技術力と高い品質で世界から信頼されるジャパンメイドの数々。そんな日本が世界に誇るカバン(鞄)やバッグといえば、創業80年以上の歴史を誇る老舗カバンメーカー「吉田カバン」のラインナップをあげる人も多いはずです。看板ブランドの「ポーター(PORTER)」をはじめとするブランドラインの製品は、日本の職人たちの熟練した技や技術によって誕生し、長きに渡り国内外の幅広い世代から高い人気を誇っています。そんな「吉田カバン」とそこから生まれたブランドについて触れてみたいと思います。

 「株式会社吉田(通称:吉田カバン)」の創業者である吉田吉蔵は、1906年(明治39年)に神奈川県寒川町の農家の家に生まれました。1918年(大正7年)12歳になった吉蔵は上京し、上野の老舗カバン工房のカバン職人として修業に身を投じます。17歳の時に関東大震災に遭い、その際にひもの両端に家財を結びつけ、多くの荷物を運び出せた経験により、「カバンとは第一に荷物を運ぶ道具でなければならない」という生涯大切にした物づくりの考え方を学んだそうです。1935年(昭和10年)29歳になると、自分の力を試そうと独立し、東京の神田須田町に吉田鞄製作所を設立します。これが現在に至る「吉田カバン」の始まりになります。しかし、時代は戦争へと進みはじめ、吉蔵もまた2度も徴兵されることになります。

 終戦を迎えて復員すると、早速キャンバス地を使ったリュックサックやショルダーバッグを作り販売しはじめます。吉蔵の制作するバッグは評判を呼び、1951年(昭和26年)には、事業拡大のため「株式会社吉田」に改組し、現在の本社がある東神田に移転します。そして、1953年(昭和28年)ファスナーでカバンのマチ幅が変えられる、機能性とデザインを併せ持った画期的なバッグ「エレガントバッグ」を発表し、大ヒットとなります。開発には後に世界のファスナー王と呼ばれたYKK株式会社の創業者・吉田忠雄の協力があったそうです。また、このエレガントバッグは、上皇后陛下がご結婚前に愛用されたことでも注目され、「株式会社吉田(通称:吉田カバン)」の名は日本中に知られるようになりました。

 その後、天皇陛下のトランクを手掛けるなどその実力が評判となり、さらに知名度が上ると海外からも多くライセンス契約の話が持ち上がるようになります。しかし、吉蔵は徹底して受け付けませんでした。その代わりに「作り手(職人)のことが伝わるようなもの作りをしたい」と自社ブランドを立ち上げます。ここに、吉田吉蔵が掲げた「一針入魂」の精神が貫かれます。後に吉田カバンの社是となるこの言葉には、日本の職人による国内生産にこだわり、高い品質や信頼の証として「一針一針を丁寧に縫い合わせていくように、カバン作りの全ての工程に手を抜かずに全力で作り上げる」といった、吉蔵のカバン職人として、また創業者としての強い気持ちが表れています。そして、そのブランド名こそが「ポーター(PORTER)」なのです。
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「吉田カバン」ブランドの系譜

 1962年(昭和37年)ブランド「ポーター(PORTER)」を発表し、1981年(昭和56年)には、吉田カバンのチーフディレクターが日本人として初めて世界的著名デザイナー集団「ニューヨーク・デザイナーズ・コレクティブ」のメンバーに選出され、アメリカ国内のセレクトショップやニューヨークの有名百貨店などで吉田カバンの商品が販売されます。1984年(昭和59年)には、ブランド「ラゲッジレーベル(LUGGAGE LABEL)」を発表するなど、精力的に事業を展開していきました。1985年(昭和60年)吉蔵は長男の吉田滋(現:会長)に社長の座を譲りましたが、カバン職人としての情熱は生涯持ち続けながら、1994年(平成6年)に享年88歳でこの世を去ります。同年に、ファッション関係者に贈られるミモザ賞受賞の折には、受賞者欄に職人の名前を入れることにこだわり、「吉田吉蔵並びに吉田カバンの職人衆」として受賞したというエピソードも残っています。

 このようにして、「吉田カバン」の礎は築かれてきました。そして何と言っても「吉田カバン」の魅力は個性豊かなブランドのラインナップと、創業80年以上の老舗でありながら、様々な分野・業界との積極的なコラボレーションにあると思います。ここからは、そんな「吉田カバン」のブランド・ライン、コラボレーションの系譜をそれぞれ紹介したいと思います。

ポーター(PORTER)

1962年(昭和37年)に発表された、吉田カバン最初のブランドであり、同社における看板のブランドです。
名前の由来は、カバンの良さを知るホテルのポーター(鞄の運搬係)から来ており、吉田カバンのバッグを持って世界を闊歩してほしいという願いが込められているそうで、ブランドのロゴもホテルのポーターが描かれています。

ラゲッジレーベル(LUGGAGE LABEL)

1984年(昭和59年)にポーターに次ぐ第二のブランドとして誕生しました。パーツや素材など細部までこだわり高機能性を追求した、現在も吉田カバンの支柱の一つとなるブランドです。赤と青のバッテンマークのロゴがトレードマークで、通称・赤バッテンが「ライナー」シリーズ、通称・青バッテンが「ニューライナー」シリーズになります。両者の違いは素材の違いであり、ライナーはレーヨンのキャンバス地に塩化ビニールのコーティングをしたもので、ニューライナーはナイロンメッシュ地に塩化ビニールのコーティングをしたものになります。ニューライナーのほうが耐久性が高い分、価格帯も高く設定されています。

ヨシダ(YOSHIDA)

2004年(平成16年)に世界市場を視野に入れたブランドとして発表され、当初は海外のメーカーやブランドとのコラボレーションを想定して展開してましたが、2008年からは国内の特定ショップにて自社単独企画の商品を発表しています。

クラチカ ヨシダ(KURACHIKA YOSHIDA)

こちらはブランドではなく2000年(平成12年)に吉田カバンが直営店としてオープンしたショップ名になります。ポーター、ラゲッジレーベルといった人気ブランドの限定商品など多数揃えており、ファンには欠かせないお店です。

ポーター ガール(PORTER GIRL)

2009年(平成21年)に誕生した女性をターゲットとしたラインで、女性らしさと吉田カバンの高い機能性を兼ね備えたアイテムが人気です。

そのほかにも、吉蔵の三男吉田克幸とその息子吉田玲雄が、2007年に設立したアパレルブランド「ポータークラシック(Porter Classic)」、ミュージシャンとして、またストリートカルチャーの牽引者として「キング・オブ・ストリート」と呼ばれる藤原ヒロシと、1998年に立ち上げたコラボレーションブランド「ヘッドポーター(現在は新ブランド「ラミダス(RAMIDUS)にリニューアル)」、日本を代表するセレクトショップ「BEAMS」とのコラボレーベル「B印 ヨシダ(B JIRUSHI YOSHIDA)」など、さまざまなアーティストやブランド・メーカーとのコラボレーションアイテムを生み出しています。

ポーター(PORTER)から生まれた人気シリーズ

ブランドの発案者でもある創業者吉田吉蔵の「一針入魂」の魂が注ぎ込まれた吉田カバンが誇るメインブランド「ポーター(PORTER)」。1962年の立ち上げから現在まで様々なシリーズが誕生し、流行に左右されず人々に愛され続けています。そんなポーターを代表する人気シリーズを紹介します。
Google口コミ画像

ポーター・バロン 

1968年(昭和43年)に発表された、ポーターの中で最も歴史が古いシリーズです。厚くて柔らかな耐久性のある革を使ったオールレザー仕様のシリーズで、発売から50年以上たった現在も愛され続けるロングセラーです。

ポーター・ブリーフケース 

1979年(昭和54年)に発表のシリーズで、ポーターの人気アイテムの一つでもあるビジネスバッグの定番「2way・3wayバッグ」の原型でもあり、当初のモデルは「エレガントバッグ」と同様、革製でファスナーの開閉によりカバンのマチ幅が変えられる仕様でした。

ポーター・トスカーナ

1980年(昭和55年)に発表の、オールレザーのショルダーバッグシリーズで、柔らかい光沢のあるレザーを使いながら、コンパクトで軽量なデザインに設計されています。

ポーター・タンカー

1983年(昭和58年)に発表された、ポーターを代表する人気シリーズです。アメリカ空軍のフライトジャケットの素材をモチーフにミリタリーテイストに仕上げたシリーズで、発売から35年以上経った今も、その人気は衰えず様々なアイテムやコラボレーションシリーズが発表されています。

ポーター・ユニオン

1995年(平成7年)に発表され、丈夫で軽量なポリエステルキャンバス地を採用したリュックタイプのシリーズで、グリーンのネームタグとストリートスタイルのデザインが特徴で、現在も人気のシリーズです。

ポーター・ヒート

2001年(平成13年)に発表の「ヒート」もまた名作として知られるシリーズで、防弾チョッキなどに使われるバリスターナイロンを使っているため、耐熱・耐摩擦など耐久性に優れています。また、付属の着脱式キーホルダに小型のマグライトが付いていたり、ブラックのワントーンデザインが男性を中心に人気を博しています。

ポーター・スモーキー

2002年(平成14年)発表の「スモーキー」は、高地で栽培されたコットンの糸とコーデュラナイロンを、特殊な技術で縦横に織り込んだオリジナル素材を採用しており、天然素材と化学繊維の両方を併せ持った風合いで、ジーンズのように経年変化を楽しむ生地が特徴です。

ポーター・フリースタイル 

2004年(平成16年)に発表された「フリースタイル」シリーズは、キャンバス地にポリウレタンを圧着させ染色した特殊素材を使い、レザー感のある風合いを持っていますが、本物のレザーではないため防水性に優れ汚れにも強いのが特徴です。

ポーター・マグナム

2007年(平成19年)に発表され、世界で初めてゴアテックスをバッグに採用し、グッドデザイン賞を受賞したシリーズです。防水・耐久性に優れた高機能のショルダーバッグで、名前の由来は、伝説の戦場カメラマンのロバート・キャパや、デビット・シーモアなどと言った世界的な写真家集団「マグナム」からとったと言われています。

以上になりますが、「ポーター(PORTER)」には、このほかにもたくさんのシリーズが存在し、モノによっては中古でも高値がつくこともあります。
最後に、吉田カバンは常に時代に合わせて変化を遂げてきました。しかし、創業から貫かれた「一針入魂」のスピリットは少しも変わりません。メイド・イン・ジャパンにこだわり、確かな縫製力と機能性・デザイン力で、ポーター(PORTER)を旗頭に、これから先の100周年を目指し邁進し続けるでしょう。

Writed by 上田勝太

上田 勝太

ゴールドプラザ 主任鑑定士
1985年生まれ 鑑定士歴15年
月次の最高買取金額10億円 各ニュースに出演

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