カラット評価のチェックポイント

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ルースの場合、電子キャラット天びんで少数第3位まで求める。

カラットの語源は昔インドでダイヤモンドの計量に、いつも同じ大きさのカロッブ(いなご豆)の実の粒を使ったのに由来しています。
カロッブの種は、乾燥させるとほぼ均一の重量になるため、宝石の重さの単位として使われていたのです。 通常、リングやペンダント等の製品では、リングの内側やペンダントの裏側に、使われている宝石の重量が刻印されています。
刻印にはまず使用地金の種類と品位が書かれ、次に装填されている宝石の種類とカラットが掛れています。(宝石の種類は割愛されることもあります。) カラットの表示は、通常電子デジタル天秤を用いて千分の1カラット「1/1000カラット(0.001ct)」まで測定し、少数第3位を8捨9入するか、第3位まで表示しますが、ダイヤモンドルースの場合、必ずと言っていい程、少数第3位まで求められます。 (ルースとは装飾を行っていないダイヤモンドの事で、裸石とも呼ばれます。)

製品の場合、刻印の表記が正しいかどうかチェックする。

鑑別書やグレーディング・レポートがない場合は、品物に付いているダイヤモンドの直径のゲージを計って、刻印の表記が正しいかどうかチェックする重要となります。
一般的に、0.5ctで直径が5.00mm以下のもの、1.0ctで直径が6.39mm以下のものについては、5~10%の評価downとなっております。

センターストーンとメレーが別表記されているかもチェックする。

また、古い製品の刻印で、ダイヤモンドの石目を、センターストーンとメレーを合計して刻印しているものがあります。
メレーが入っているものについては、その刻印が別表記されているか、必ずチェックいたします。

刻印表記のなかで、0.3ct、0.5ct、1.00ct、2.00ctといった数字の場合はとくに注意が必要。

ダイヤモンドでは、0.29ctと0.30ctでは、値段が0.01ctの違い以上に大きな差となります。0.49ctと0.50ctでも大きく違い、0.99ctと1.00ctでは更に大きく違います。(下段の表をご参照下さい。)重要や供給の関係で、0.30、0.50、1.00ctの需要が多くなることから、境界線を跨いだ価格で跳ね上がってしまうのがその理由です。
そこで、悪意をもった業者は0.29ctのダイヤを安く買い0.30ctと刻印して売る、同じく0.49ctのダイヤを買って0.50ctと刻印して売るといった商売をします。
したがって、こうした数字の刻印があるもの(0.30、0.50、1.00、1.50、2.00など)はとくにその刻印が正しいかどうかのチェックが必要になるのです。
現在、分かっているデータだけでも、こうした切りのよい数字の石目が刻印されて品物の約30%に、不正表示が見つかっています。
これは業界でも極めて高い確率と言えますので、こうした数字の場合は厳密なチェックが必要となります。