クラリティ評価のチェックポイント2

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10倍ルーペで観察し、カーボン(黒色内包物)が認められないか?

カーボンとは「ダークインクルージョン」の事で、硫化物の場合や石墨などの場合があります。
10倍ルーペで観察した時に、カーボンが認められると、5%~15%ほどのDownとなる。

グレーディングレポートがあれば、記載されたクラリティ・グレードは「相当」と認められると見ることが 出来るか?

国内最大級の鑑定鑑別機関でもある、「中央宝石研究所」などのグレーディング・レポートであっても、クラリティ・グレードが「相当」と認められない場合があります。
実は、「中央宝石研究所」は2006年にカットの鑑定基準が変わり、それに伴い、クラリティーとカラーの基準も厳しくなったと言われております。
2006年以前に鑑定された、「旧鑑定書」のダイヤモンドは再鑑定に出される事も多いですが、カット・グレード以外もランク落ちして返ってくる事が多いです。
また、属に「A鑑」、「B鑑」や「C鑑」と呼ばれる鑑定機関がご座いますが、こちらは、AGL(宝石鑑別団体協議会)に所属しているかどうかを表しており、「B鑑」は、所属はしていないが、それなりに信頼出来る鑑定機関、「C鑑」は融通の利く鑑定機関というところでしょうか。

グレーディングレポートに、クラリティの改変処理は記載されてないか?

近年、ダイヤモンドのクラリティを改変する技術が開発され、いくつかの事例が報告されていますが、代表的なものは次の2つです。

1.レーザー光線で、黒色インクルージョンを白変させ、クラリティ・グレードを上げる。

1-1.レーザードリル処理による改変

ダイヤモンド内の暗色のインクルージョンは、クラリティ・グレードを下げる要因となります。そこでレーザー光線でこの暗色インクルージョンまで孔を空け(レーザードリル)、酸で漂白することでクラリティ・グレードを上げる処理が行われております。
レーザードリル処理が施されている場合、グレーディング・レポートには、「レーザードリルホールを認む」と記載され、ソーティングには、「LDH」(レーザードリルホール)と記載されます。
レーザードリル処理が施されている場合には、表面を鏡に鏡像イメージでドリルホールが見えます。
ただし近年はレーザードリルにガラス充填をしている例も多く、レーザードリル・ダイヤモンドの全てから表面上の孔が観察されるわけではありません。

1-2.KMプロセス

ダイヤモンド内部のカーボンに、弱いレーザー光線を照射し、カーボンを熱膨張させることで、フェザーを表面まで誘導し、ボイル処理でカーボンを除去します。
グレーディング・レポートには、「内部レーザードリリングを認む」、ソーティングには、「ILD」(インサイドレーザードリリング)と記されています。

2.フラクチュア(割れ目)に、高屈折ガラスを充填し、クラリティ・グレードを上げる。

表面に達するフラクチュア(割れ目)に鉛ガラスを充填し、フラクチュアを見えにくくする処理。コス処理、あるいはイヒューダ処理と言われています。
角度を変えて観察すると、ガラス充填処理された部分の色が違う色(例えば青や紫)に変化することがあり、その場合はガラス充填された割れである可能性が高くなります。
このように充填されて割れであることを示す色の変化をフラッシュ効果と呼びます。
この処理が行われたものは処理ダイヤモンドに分類し、グレード対象外となります。

※クラリティ・グレードの買取り価格・・・

現在の取引状況を見ると、VVSの1と2、VSの1と2の間では5%程度の差で、大きな開きにはなっていません。
ただし、VVSとVS、VSとSI、SIとIのそれぞれの境界では10~20%の開きが生まれており、しかも石目が大きいほど、その差は大きくなっています。
FL、IFに関しては別基準での価格となっています。