第五回/ルイ・ヴィトン/高価買取の法則
2016/07/09
ルイ・ヴィトン高価買取の法則、第五回をお送りいたします。
前回は、日本と欧米の階級意識の違いが、普及率・定着率に大きな差を生み出す原因の一つとなっているというところまでお伝えいたしました。
今回は、ルイ・ヴィトン製品自体の商品イメージの観点から、人気の秘密を探っていきたいと思います。
ルイ・ヴィトンとエルメス
ラグジュアリーブランドの代名詞の一つと言えば『エルメス』ですが、エルメスのバッグ、特にケリーやバーキンなどは『高級品の中でも別格』・『特別な時に使用する逸品』などのイメージが強いのではないでしょうか?
上記のイメージが強いエルメスの商品は、人気はありますが数多く所有されていて、なおかつ普段使い用のバッグとしていらっしゃる方はあまりいらっしゃらないのではないでしょうか?
実際町を歩く人を見ても、エルメスの高級ラインのバッグをもって歩いている方は数少ないと思います。
まぁ、歩く街にもよるとは思いますが(笑)
しかし、ルイ・ヴィトンのバッグを見かける回数は圧倒的に多いと思います。
同じ有名ラグジュアリーブランドなのに何故なのでしょうか?
それは、商品の価格設定や、ブランドイメージの違いにより定着率に違いがあるからです。
ルイ・ヴィトンの製品イメージ
エルメスとルイ・ヴィトンの大きな違いは、それぞれのブランドの商品に抱く、ブランドイメージの違いです。
エルメスのバッグが欲しいと思った時に、『普段からガンガン使ってやろう!!』と思われる方は少ないと思います。
それはエルメスの商品が、『高級品』『気軽には持てない』『特別な時に使うもの』というイメージが強いからだと思います。
対するルイ・ヴィトンは、『買ったからにはこのバッグを持って街を歩こう!!』という方が多くいらっしゃいます。
お一人で数点所有されたり、気分やシチュエーションに応じて使い分けたり様々です。
同じ高級品でも、お客様の使い方、商品イメージはこんなにも違います。
ルイ・ヴィトンの製品にピッタリな言葉、それは『高級な日用品』です。
高級な日用品?
日用品とは、日々使い続けるものですよね?
毎日使うから、傷んだり壊れたりします。
そうすると買い替えや修理の必要が出てきます。
こういった性質上、日用品を高級なもので揃えるという方はそう多くありません。
しかし、ルイ・ヴィトンはこの日用品と高級品の丁度中間ぐらいのイメージで捉えられているようなのです。
ルイ・ヴィトンのバッグの価格設定を見ると、十数万~百万単位までの幅が有り、商品のラインナップもかなり豊富です。
富裕層でなくとも、頑張れば手に入る価格の商品がある一方、富裕層がこだわって購入するようなラグジュアリーアイテムも豊富です。
バッグ自体も使い勝手がいいものが多く、もともと船旅用のトランクを製造していただけあって、丈夫で破損しにくい作りになっています。
つまり頑張って購入して、特別な時まで大事にしまっておくのではなく、普段使いに使用するバッグの上質なものという印象で定着しているのです。
この、『高級な日用品』としてのブランドイメージが、購買層の拡大に拍車をかけているのです。
これまでのコラムでは、ルイ・ヴィトンのブランド力・定着率・人気・購買層の大きさの秘密をご説明してまいりました。
では、上記4つが中古品の価格にどのように影響するのか、次回からは、中古買取・販売店の立場からご説明させていただきます。