スペインの高級レザーブランド ロエベ(LOEWE)の歴史

2018/12/29

スペインを代表する高級ブランドロエベ(LOEWE)。ラムレザー(仔羊の革)を得意としており、1872年に創業した歴史あるブランドです。今回は、ロエベ(LOEWE)の誕生した1872年から1900年代前半にかけてを見ていきましょう。
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創業者はドイツの皮革職人

 時は1872年、当時は皮革製品の大国とも謳われていたスペインに一人の男性が訪れます。彼の名はエンリケ・ロエベ・ロスバーグ。ドイツの皮革職人である彼は、スペインで作られる革製品の評判を聞きつけやってきました。現地に降り立ち製品を一つ一つ見てみれば、上質なレザーと職人の技術力の窺える出来映えに感銘を受けたそうです。
 そのまま現地の工房で働くことになったエンリケは1892年、工房との併設型ブティックを展開。これがブランドロエベ(LOEWE)の第一号店でした。それまでのロエベ(LOEWE)は葉巻入れやレザーケースをデザインしておりましたが、ブティックの開店を機に婦人用バッグやお財布のデザイン、販売を始めます。エンリケと現地の職人たちにとって初めての試みは果たして成功でした。元々、皮革製品を取り扱っていた彼らにとってそれは、さほど難しいことではありませんでした。やがて、ロエベ(LOEWE)の商品はスペインの貴族たちの間で評判となります。
ロエベ(LOEWE)バッグ画像

王家御用達の称号

ブティックをオープンして13年後の1905年。ロエベ(LOEWE)にとって大きな転機が訪れます。当時、ロエベ(LOEWE)を愛用していたコンキエスタ公爵夫人にスペイン王室へと招かれ、国王陛下にロエベ(LOEWE)の商品を紹介することになりました。厳選されたレザーを職人たちの巧みな技で作られたロエベ(LOEWE)の商品にスペインの国王“アルフォンソ13世”は大層お気に召したそうです。その結果、ロエベ(LOEWE)は王室御用達という大変名誉ある称号を授かりました。
 国王からお墨付きを貰ったロエベ(LOEWE)は事業の拡大を目指し、1910年にスペインのバルセロナに二号店を構え、その後も国内に続々と店舗をオープンしていきます。この頃から、婦人用の靴やインテリアに小物など商品のバリエーションも増えてきたと言われております。
ロエベ(LOEWE)バッグ画像

ブランドイメージを認識付けた店づくり

ロエベ(LOEWE)の歴史を語るうえで外せないのが、ラグジュアリーショップのデザインです。1939年、マドリードのグラン・ビア8番地にて出店。店舗建設の担当者はフランシスコ・フェレ・パルトロメ。彼は当時、スペインでは名高い建築家であり、彼のアイディアによって建設された店舗は半月型のショーウインドウでした。これは、外の通行人からの視線を遮断するパルトロメの工夫でした。“外からお店の様子をうかがえない”ことから、ロエベ(LOEWE)を敷居の高い=ラグジュアリーのイメージを世間に強く認識づけました。店舗デザインによるロエベ(LOEWE)の印象付けは経営陣による販売戦略の一つだったのではないでしょうか。

ロエベ(LOEWE)財布画像

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