ペリドットの産地ごとの特徴
2016/01/15
さわやかなオリーブグリーンのペリドットは、古代より「太陽の石」として崇拝されていたもので、「イブニング・エメラルド」と呼ばれることもあります。
光の屈折率が高く鮮明なグリーンであることから、ネガティブな感情を吹き飛ばし、明るい希望や勇気をもたらしてくれるパワーストーンとして人気も高い宝石です。
今回はこのペリドットの産地や、産地ごとの特徴についてご紹介しましょう。
主な産地とそれぞれの特徴
ペリドットの主な産地はミャンマーやアリゾナ、ノルウェーのほか、ブラジル、ケニアなどがあげられます。
ペリドットが初めて産出されたエジプトのザバルガッドでは、残念ながら現在ではほとんど産出されていません。
また、ペリドットの色はオリーブグリーンのみですが、産地によって多少色味に違いがあるようです。
ペリドットの主な産地ごとの特徴は、以下の通りです。
ミャンマー産
ルビーの産地としても知られるモゴックの近くで産出されるミャンマーのペリドットは、ほかの地域と比べて色と輝きが良質と言われています。
透明度が高く、オリーブ系統の色味が強い美しいグリーンが多く採掘され、ファセット・カットにすれば、輝きが増してさらに魅力的な宝石となります。
5カラット以上のものは少ないペリドットですが、ここでは10カラット以上という大粒のものも産出されています。
アリゾナ産
豊富な産出量で知られるアリゾナ産のペリドットですが、茶色や黒の色味が強いものが多いという特徴があります。
しかし、中には美しいグリーンのものも採掘されるので、一概に低品質であるとは言えません。
また、5カラット以下の小粒のものがまとまって採掘されるというのも特徴で、小さな粒を活かして、指輪などの手頃なアクセサリーに使われることが多いようです。
ノルウェー産
ノルウェー産のペリドットはどちらかというとグリーンが濃いのが特徴で、また色自体は淡めであっても全体的に色が均一で美しく澄んだ石が産出されます。
その高い透明度は、良質と言われるミャンマー産のペリドットが見劣りしてしまうこともあるほどです。
大きさはミャンマー産と同様に大きめのものが採掘される場合が多いので、よく宝飾品として利用されています。
ペリドットの選び方
ペリドットは、茶色味のない、オリーブグリーンのものがグレードの高い石となります。
ただし、色が良くても傷があるものは価値が下がります。
実はミャンマー産のペリドットは傷のある石が多く産出されるのですが、カットした上で仕上げているので、最高ランクの品質を保つことが可能だと言われています。
19世紀以降に多くの宝石が出回るようになると、古代から愛用されていたペリドットの人気は次第に低下していきましたが、近ごろはその美しさが見直され、再び人気を博しています。
ペリドットの品質を見分けるためには、微妙な色味の違いなどをチェックする必要がありますので、自分で判断するのは少し難しいかもしれません。
そんなときは経験豊富な専門の鑑定士に依頼すると良いでしょう。