ジュエリーだけではない!カルティエ(Cartier)時計の魅力について
2018/05/25
カルティエ(Cartier)と聞くと結婚指輪をはじめとした高級ジュエリーを扱うブランドをイメージされる方は多いのではないでしょうか。女性の憧れるブランドとして常に取り上げられるカルティエ(Cartier)ですが、実は世界初の腕時計を作ったブランドだというのはご存知でしょうか。今回はジュエリーにとどまらず時計ブランドとしても上位にあるカルティエ(Cartier)時計の魅力についてフォーカスを当てていきます。
~世界初の腕時計~サントス(SANTOS)の逸話
元々は1847年にルイ・フランソワ・カルティエがパリにて創業しジュエリー製作をはじめます。やがて彼の評判はあがり、皇室・貴族たちの御用達となります。1870年代に入ると息子のアルフレッドが父であるルイ・カルティエから宝石について教えを受け、単独でロンドンへと渡り宝石商として多大な利益をもたらしいよいよ会社として軌道に乗っていきます。
そして1898年。創業者の孫にあたるルイ・カルティエは飛行家のアルベルト・サントス・デュモンと出会い、創業当初より関心のあった時計製作へと動き出します。ある日サントスはルイ・カルティエへ一つの相談事を持ちかけます。
「ポケットから取り出さずに時間を確認出来る時計は作れないか。」
当時のヨーロッパでは懐中時計が主流であり、スーツのポケットに忍ばせベストのボタンにチェーンを付けるのがお洒落でした。ところがサントスは飛行家であり、レースにも参加していた彼は飛行中に時間を確認する際にポケットから取り出すのはどうしても不便に感じていたのです。そこでルイ・カルティエが製作したのが世界初の腕時計”サントス”(SANTOS)でした。
実はサントス(SANTOS)が完成された年の1904年、創業者であるルイ・フランソワ・カルティエはこの世を去ってしまいます。それはまるで、息子のアルフレッド、孫のルイ・カルティエへと後を託すかのようであり”サントス”は孫から祖父への弔いだったのかもしれません。
およそ10年の眠りから覚めた伝説の”豹”パンテール(PANTHÈRE)
正式名称はパンテール・ドゥ・カルティエ(PANTHÈRE DE CARTIER)。2000年代半ばにファンから惜しまれつつも世間から姿を消してしまいます。初登場したのは1983年。パンテール(PANTHÈRE)とはその名のとおり豹をイメージしデザインされ、しなやかで優美なその姿は時計の概念ともいえる「日常生活において必要なもの」から「身につけたものを彩り、自信を与えるもの」へと変えました。当時には存在しなかったドレスウォッチという新たなジャンルが確立され、世の女性たちからはまさに伝説的ともいえる人気ぶりだったそうです。一線を退いてからも、復活の声は絶えず中古業界でもその人気は絶えることはありませんでした。
そして2017年。およそ10年にわたり眠り続けていたパンテール(PANTHÈRE)はファンの声に応えるかのように復活を果たします。これを祝し、ロサンゼルスにてイベントが行われ女優のミランダ・カーやシエナ・ミラー、日本からは女優の新木優子もゲストとして招待されました。さらに映画監督のソフィア・コッポラがこの日の為にとショートムービーを製作。世界がどれだけパンテールの復活を望み、歓喜する様子が伝わる瞬間でした。
世界平和を願った時計~タンク(TANK)~
1917年に発売されたタンク(TANK)は、およそ1914年から1918年にかけて戦われた第一次世界大戦がきっかけでした。舞台は1917年フランスはパリ。連合軍とドイツ軍が激しくぶつかる戦いが繰り広げられる中、最新鋭のアメリカ軍戦車(タンク)がドイツ軍を鎮めパリは解放されました。連合軍の勝利に大きく貢献したブラックジャックの異名を持つジョン・パーシング司令官を称え、作られたのがタンク(TANK)といわれており軍戦車のキャタピラをイメージし作られました。しかしそれは戦いを勝ち抜いた強さを美化しているわけではなく、もう二度と戦争は起こさない、世界平和の願いが込められていました。(皮肉なことにこの後第二次世界大戦が始まってしまうのですが)
カルティエタンクのもう一つの大きな特徴はその四角い形(レクタンギュラー)にあります。タンクが発売されるまで、世界では時計=丸いというのが一般的でした。そんな概念は一切受けず閃きと類まれなるセンスで誕生したタンク(TANK)はタンクソロ、タンクフランセーズ(TANK FRANÇAISE)、タンクアメリカン(TANK AMÉRICAINE)など様々なシリーズが登場しております。
そして去年の2017年。「タンク」生誕100周年を記念し展示会が行われました。
この展示会では現代アーティストとしても活躍する香取慎吾がタンク(TANK)からインスピレーションを受けて作られたアート作品「時間が足りない」とオブジェ「百年のfuuu.」の2作品が公開。オブジェ「百年のfuuu.」は香取慎吾が昔から好んでいるヴェネチアングラスのシャンデリアをソースにデザインされたそうです。カルティエジャパン社長ヴェロニカ・プラット=ヴァン=ティールも彼の出品に大変喜んでいたとの話でした。