ロイヤル コペンハーゲンとは?デンマークが誇る高級陶磁器ブランドロイヤル

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200年以上にわたって世界中の人々に愛されてきた、デンマーク発の高級食器ブランド「ロイヤル コペンハーゲン(ROYAL COPENHAGEN)」。現在もデンマーク王室御用達の製陶所として知られ、伝統的なハンドペイント技術を受け継ぎながら進化を続けています。本記事では、ロイヤル コペンハーゲンの歴史や魅力、代表的な人気コレクションについて詳しくご紹介します。

大嶋 雄介
著 者

大嶋 雄介

2010年にゴールドプラザに入社し、千葉店の店長として3年間で月間売上の最高記録を達成。鑑定士としてのキャリアをしっかりと積み上げ、その後、営業企画部に進出し、集客の戦略構想やSNSを活用したPR活動をしながら、リサイクル業界への深い理解と経験を積みました。現在は貴金属の換金業務に従事し、金融相場や市場動向の分析をじっくりと、緻密な専門知識を深化させています。


ロイヤル コペンハーゲンの歴史

白磁に美しく描かれたコバルトブルーの模様や、毎年発表されるクリスマスプレートで知られるロイヤル コペンハーゲン。そのルーツは、18世紀のデンマークに遡ります。

ヨーロッパで磁器の生産が難しかった当時、磁器は“白い金”と呼ばれ、貴族の間で高価な美術品として重宝されていました。そんな中、1773年にデンマーク領ボーンホルム島で磁器の原料カオリンが発見され、翌年には鉱物学者フランツ・ハインリッヒ・ミュラーによって磁器の製造に成功。1775年にはデンマーク王室の支援を受け、ロイヤル コペンハーゲンが王室御用達の窯として創業されました。

以降、ドイツ・マイセンなどから技術者を招き、高度な製造技術を確立。1790年には、国王クリスチャン7世がロシア女帝エカチェリーナ2世への贈答品として「フローラ ダニカ」が誕生しました。

その後、1868年に王立窯から民営化されましたが、ブランド名に「ロイヤル」を残しながら発展を続けました。1884年には建築家アーノルド・クローがアートディレクターに就任。日本美術にインスピレーションを受けた作品や、「ブルーフルーテッド」シリーズの再構築を行い、ブランドの世界的評価を高めました。2012年にはフィンランド企業の傘下に入り、現在に至ります。


ロイヤル コペンハーゲンの特徴

ロイヤル コペンハーゲンを象徴するのは、以下の3つの「バックスタンプ」です。

  • 三本のウェーブ:デンマークを囲む三つの海峡(スンド海峡・大ベルト・小ベルト)を象徴。
  • 王冠マーク:王室との深い関係性を示す伝統的シンボル。
  • ペインターのサイン:絵付師・デザイナーの署名が記され、作品の個性を表現。

特筆すべきは、すべての絵柄がハンドペイントで描かれている点。開窯当初は牛の耳やトナカイの腹部の毛から作った特注の筆を使用し、繊細な筆致で模様を描いていました。現在でもこの伝統を守り続けており、ロイヤル コペンハーゲンの製品は一点一点が熟練した絵付師の手仕事による芸術作品なのです。


ロイヤル コペンハーゲンの代表的なコレクション

ブルーフルーテッドシリーズ:ブランドの原点

「ブルーフルーテッド プレイン」は、開窯当初のパターンNo.1として誕生したロングセラー。貝殻のようなフォルムと繊細な青絵が特徴です。その後、「ハーフレース」「フルレース」と展開が続き、2000年には現代的に再構築された「ブルーフルーテッド メガ」が登場。今なお世界中で愛され続けています。

フローラ ダニカ:芸術性の頂点

1790年に誕生した「フローラ ダニカ」は、デンマークに自生する植物図鑑を元に作られた豪華なディナーセット。高い芸術性と希少性から「デンマークの至宝」とも呼ばれ、王室の式典でも使用されています。現在はセカンドラインとして「フローラ」が一般向けに展開中です。

イヤープレート:コレクター必携の名作

1908年より毎年発表されている「イヤープレート(クリスマスプレート)」は、年ごとに異なる温かな風景画が描かれ、コレクター垂涎のシリーズです。特に戦時中などの生産数が少ない年のプレートは高い希少価値を持ちます。


おわりに

ロイヤル コペンハーゲンは、デンマーク王室の歴史と職人のクラフトマンシップが融合した、高級陶磁器ブランドの代表格です。ハンドペイントで描かれた繊細なデザインや、コレクションごとの奥深いストーリーに魅了される方も多いのではないでしょうか。ご自宅用はもちろん、贈り物としても喜ばれる逸品です。