エインズレイ(Aynsley)は、1775年にジョン・エインズレイが始めた陶磁器のメーカーです。18世紀のヨーロッパでは、白磁ブームが起こっていました。白磁を作るには良質な原料が必要ですし、高音で焼かなければいけないので、ヨーロッパの人々は中国製の白磁を見てその美しさに驚いたのです。なんとかヨーロッパでも白磁が作れないかと各国の陶磁器メーカーが試行錯誤を重ね、エインズレイも、白磁にまさるとも劣らない白い磁器を作り一躍人気ブランドとなりました。英国のダイアナ元王妃はエインズレイの大ファンで、チャールズ皇太子との結婚式の際には、ウェディングセレモニーの参列者への贈り物にエインズレイの陶花を選びました。陶花とは、あたかも花かごの中に本物の草花が活けられているような美しい彩りに溢れた陶磁器のオブジェです。現在でも英国王室は重要なイベントの際にエインズレイを用いる習慣があります。
エインズレイは、豪奢で細密な絵付けを施した食器を作ることでも知られています。桃やブドウなどをボタニカルアートのように細部まで描いたロイヤルオーチャードゴールドシリーズは、釉薬に金彩を加え、ゴージャスな印象を与える食器です。温かみのある色合いが特に女性に人気のあるシリーズです。
エインズレイの食器は、美しく頑丈に作られた元箱や共箱に収められています。買取に持ち込む場合は、元箱の有無及びコンディションによって価格が変わります。高級食器は、陶磁器はもちろんですが、購入時に収められていた箱も大事にする習慣を持つと良いでしょう。