リチャード・ジノリ(RICHARD GINORI)は、トスカーナ大公国の1735年にカルロ・ジノリ侯爵が設立したイタリアの食器メーカーです。当時のイタリアには上質な陶磁器を製造するメーカーがなく、陶磁器と言えばマジョリカ焼きのような陶器が一般的でした。ヨーロッパの他国に負けない、いや中国の磁器に肩を並べる高級食器を自国で作りたいという思いからジノリというブランドが生まれたのです。その結果、ジノリはイタリアで初めて白磁の製造に成功して、ヨーロッパの高級食器メーカーとしての名声を勝ち取りました。
ジノリを代表するシリーズは、白磁の至宝、ベッキオホワイトです。バロック調の端正な編み込み模様が陶肌に刻印され、格調高い一品は、まさに高級食器にふさわしい佇まいでコレクターに人気です。
その他、様々な果物を色鮮やかに描いたイタリアンフルーツやルネサンス期の銀器の形を踏襲しているアンティックローズ、リボンと花の組み合わせが愛らしいジュリエッタ、マルコポーロなどのシリーズです。イタリアンフルーツは、もともとトスカーナの貴族のために作られた作品であり、特に上流階級の人々に好まれて世界中で大ヒットしました。
ジノリだけにしか作れない食器に、オリエント急行の社内で使用しているテーブルウェアがあります。オリエント急行を表す「VSOE」のエンブレムとオリエント急行の車両と同じブルーを基調としたオリエントエクスプレスは、優雅な高級列車の旅にふさわしい雰囲気を漂わせています。
宝石のように美しいベッキオホワイトからカジュアルなイタリアンフルーツまで、どのシリーズも、高級食器ブランドであるジノリならではの品質と美しさから、買取市場ではジノリは常に人気の高いブランドであり高評価を受けています。