エトロ(ETRO)の歴史と特徴
最終更新日:2025/04/25


大嶋 雄介
2010年にゴールドプラザに入社し、千葉店の店長として3年間で月間売上の最高記録を達成。鑑定士としてのキャリアをしっかりと積み上げました。その後、集客の戦略構想やSNSを活用したPR活動をしながら、リサイクル業界への深い理解と経験を積みました。現在は貴金属の換金業務に従事し、金融相場や市場動向の分析を通して緻密な専門知識を深化させています。BSテレ東「なないろ日和」などに出演。
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イタリア・ミラノ発のラグジュアリーブランド「エトロ(ETRO)」は、象徴的なペイズリー柄で世界中のファッション愛好家を魅了しています。プレタポルテからバッグ、フレグランス、インテリアまで幅広く展開し、独自の世界観を持つブランドです。この記事では、エトロの歴史と特徴、そしてその魅力に迫ります。
エトロ(ETRO)のブランドヒストリー
テキスタイルメーカーとしての出発点
エトロの始まりは1968年。創業者ジェローラモ(ジンモ)・エトロは、家族の織物工場を引き継ぎ、独自の美意識と創造性をもとに新しいテキスタイルを開発。特に祖母の持っていたカシミールショールの紋様にインスピレーションを受け、独自解釈で再現した「ペイズリー柄」は、ブランドのアイコンとして定着しました。
ペイズリー柄の進化とブランドの展開
1981年には、自社製品としてペイズリー柄の生地やカーテンなどのインテリアアイテムを発表。さらに1982年にはブランドの定番ライン「アルニカ」が誕生し、バッグや小物へと展開されます。1985年には、2,000種以上のペイズリー柄を使ったホームコレクションを発表し、1988年には「エトロジャパン」が設立。日本でも高い人気を得ます。
ファッション分野への進出と家族経営
1989年には香水・アパレル事業にも進出し、1996年には初のウィメンズコレクションをミラノで発表。翌年からは息子キーン・エトロがクリエイティブディレクターを務め、メンズ・ウィメンズ両ラインのデザインを手がけます。その後も、長女ヴェロニカ、長男ヤコポ、三男イッポリトがそれぞれの分野でブランドを支え、一族経営での発展を続けました。
エトロ(ETRO)の特徴と魅力
ブランドを象徴するペイズリー柄とペガソロゴ
エトロ最大の特徴は、やはり「ペイズリー柄」。インドの伝統模様をルーツとし、ナツメヤシの芽をモチーフにしたこの柄は、長寿や繁栄を象徴するとされ、今やファッション界では定番デザインとなりました。
また、ブランドの象徴的なロゴである「天馬ペガソ(Pegaso)」は、誇り高く自由を象徴する翼を持つ天馬ペガサスをイメージ。バッグやベルトのバックル、刺繍など多くのアイテムに採用されています。
機能性とデザイン性を両立した代表作「アルニカ」
「アルニカ」は、ジャカード織によるペイズリー柄をベースに、耐久性を高める樹脂コーティングが施された定番ライン。バッグや財布、ポーチなどに使われており、日常使いしやすく高級感も兼ね備えた人気アイテムです。
現代的なシリーズと幅広いアイテム展開
近年は、天馬ペガソをモチーフとした「ペガソ」シリーズや、2種のストラップが楽しめる「レインボー」シリーズなど、新たなアイコンバッグも登場。その他にも、スカーフやネクタイ、フレグランス、インテリアアイテムなど多彩なラインナップで、世界中のファンを魅了しています。
経営体制の変化と未来への進化
2021年、フランスのLVMH系列投資会社「Lキャタルトン」が、約650億円でエトロの過半数株式を取得し、ブランドは新たなステージへと進みます。
同年には、元ドルチェ&ガッバーナのCOOであるファブリッツォ・カルディナリ氏がCEOに就任。さらに2022年には、マルコ・デ・ヴィンチェンツォ氏が新たなクリエイティブディレクターに就任し、2023年春夏コレクションから新体制での展開が始まりました。
一族経営からの転換を経て、ジンモ・エトロの4人の子供たちも引き続きブランドに関わりながら、エトロのDNAを守り続けています。
まとめ|伝統と革新が共存するエトロ(ETRO)の魅力
エトロ(ETRO)は、ペイズリー柄という伝統をベースにしながらも、常に新しいテキスタイルとデザインを追求することで唯一無二のスタイルを築いてきました。その豊かな色彩、アート性、素材へのこだわりは、多くのファンを魅了し続けています。
今後も「メイド・イン・イタリー」の精神を守りながら、世界のラグジュアリーブランドとしてさらなる進化を遂げていくことでしょう。