創設者の意志をついで完成したU-BOAT

2017/01/07


今回はイタリアの高級時計『U-BOAT』についていろいろ語っていきたいと思います。

潜水艦U-ボート

まずU-BOATと検索すると真っ先にヒットするのは時計ブランドではなく、『潜水艦』です。
U-BOATとはドイツの潜水艦で、ドイツ語の『U-Boot』(Unterseeboot、ウンターゼーボート、水の下の船)の略語です。
ドイツ語では全ての潜水艦の総称としての意味になりますが、英語で『U-BOAT』(ユーボート)となると第一次、第二次世界大戦時期のドイツの潜水艦のこととして使われ、特に第二次世界大戦時は脅威の潜水艦として恐れられました。

ウォッチメーカーU-BOAT

1940年、イタリア屈指のウォッチメーカーだった『オフィス・フォンタナ社』は、イタリア軍航空部隊パイロットとドイツ軍潜水艦部隊U-BOATの乗組員の為に、腕時計の制作を依頼されます。
求められたのは実戦に耐え得る耐水性と耐久性、精度に優れた戦闘用プロフェッショナルウォッチでしたが、政局悪化で、その腕時計が完成されることはありませんでした。
それから約60年後、オフィス・フォンタナ社の創設者、イボ・フォンタナの孫である『イタロ・フォンタナ』によってその腕時計が完成されることになります。
腕時計のオリジナル製図や色見本、そして他の必要なすべての資料はオフィス・フォンタナ社に保管され、残っていたのです。
イタロ・フォンタナはその製図をもとに、イタリアのファッション界の有力者ムーニ・マウファリジーをパートナーにし、7年の歳月をかけ、腕時計『U-BOAT』を完成させ、イボ・フォンタナの夢を実現させました。

U-BOATのこだわり

U-BOATウォッチは、イタリアの伝統ある職人技に則った手法で作られ、細かい部分に至るまですべて熟練職人の手作業で製作されていて、一切の妥協を許さない職人気質と伝統技巧をベースにし、U-BOAT艦内での過酷な条件にも対応できる耐久性、精度を備えています。
さらに、インパクトのある大きなケースは通常が50-55㎜となっていて、リューズも大きめに作られている為、視認性や操作性にも優れています。
通常右側についているリューズは、手の甲を傷つけないよう、左側についているのも特徴的で、右側には大きく『U-BOAT』と刻まれています。
そしてムーブメントは最も信頼あるスイスETA社のものを搭載しています。