鞄(バッグ)の種類について
2018/04/09鞄・バッグ。一言で言っても多彩なデザインや、多種多様な機能・形状があります。
今回は用途に分けて、代表的なものを挙げていきます。
鞄(バッグ)の主な使用スタイル
私たちが普段から使っている鞄やバッグには、数え切れないほどの種類が存在します。価格だけとっても、下は数百円のものから、上は何百万円するものまで大きく幅があります。大きさや形状についても、ポーチのような小さなものから、旅行用鞄のように数泊分の荷物が収納できるものまであり、素材も、牛革や馬革などの動物素材、綿・麻などの植物素材、ナイロン・塩化ビニルなどの化学繊維のように多種多様です。
特に女性にとってバッグは、ファッションやステータスとして着るものに合わせたコーディネートをする方も多く、デザインも重要な要素になるでしょう。
また、鞄やバッグには使う用途によって作られたものも多く、ゴルフクラブ一式を入れるゴルフバッグや、ギターなど楽器を持ち運ぶためのケースなど。機能面についても、歩くときに両手が自由になるように、背負うタイプや肩掛けタイプ、腰に巻きつけるタイプなど様々です。
今回は、使用スタイル別に代表的な鞄やバッグをご紹介したいと思います。
手に持つスタイル
ハンドバッグ
名前の通り、小物を入れて携行する小型の手さげ鞄をさすことが多く、ヨーロッパでは、古代から中世にかけて、実用具として男女共に使っていたようですが、現在は女性用のバッグとして、ファッション性が高い装飾品としての側面を持ったものが多いです。なぜ女性用として定着したのかは定かではありませんが、一説によると「女性の服装にはポケットのような小物を携行するスペースがないため」と言われています。
憧れのハンドバッグの代名詞といえば、エルメス(Hermes)の「バーキン」や「ケリー」が挙げられます。
また、「ダミエ」や「エピ」などのラインが人気のルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)、シャネル(CHANEL)の「マトラッセ」、プラダ(PRADA)の「サフィアーノ」や「ガレリア」、セリーヌ(CELINE)の「ラゲージ」など、ブランドを代表する人気の定番モデルがハンドバッグには多数存在します。
トートバッグ
「トート(tote)」の意味は、「運ぶ・背負う・携える・携帯する」といった意味合いで、トートバッグは、アメリカのアウトドアブランド「L.L.Bean」が1944年に開発したのがはじまりと言われています。当時のアメリカではまだ冷蔵庫が普及しておらず、アイス・チェストと呼ばれる木製のケースに氷を入れて食べ物などを冷やしていました。冬場に凍った湖の氷を保存し、夏場に切り売りする際、氷の持ち運び用のバッグとして「ビーンズ・アイス・キャリア」の商品名で発売されました。大きく口が開き荷物が入れやすく、氷が溶けても染みでないように、厚手の丈夫なキャンバス地で作られたバッグは、氷以外の重いものを運ぶシーンにも利用され、1965年に「ビーンズ・ボート・アンド・トート・バッグ」に商品名で再販売されました。その商品名からトートバッグという名前が広まったと言われ、同社のトートバッグはロングセラー商品として現在も人々に長く愛されています。
その後、持ち運びに最適なことから実用バッグとして人気を呼び、「大きな口で荷物が入れやすい丈夫なバッグ」の総称としてトートバッグの名は使われるようになります。また、ファッションアイテムとしてもアメリカの大学生中心に世界に広まり、現在では有名ブランドもトートバッグを手がけています。
日本では、コーチ(COACH)、エルメス(Hermes)、プラダ(PRADA)、クロエ( Chloe)、トリーバーチ(Tory Burch)などのトートバッグが女性に人気があります。
クラッチバッグ /セカンドバッグ
一般に、持ち手や肩紐が付いていない、手で抱えて持つ小型のバッグを指します。日本のバブル期に一世を風靡したセカンドバッグ や最近ではA4程度の書類が入る大きさのクラッチバッグ という名称で定着しています。両者は同じスタイルのものではありますが、日本では、セカンドバッグは小物をひとまとめにして携行するためのものに対し、クラッチバッグ はファッションの一部として小脇に抱えて使用する印象が強いです。どちらもメンズ用としての需要が高く、ボッテガ・ヴェネタ(Bottega Veneta)、プラダ(PRADA) 、グッチ(GUCCI)などが人気です。
ポーチ
小物などを入れる小型の鞄(バッグ)で、一般にバッグの中に入れて利用することが多いです。ポーチを英語でPOUCHと書きますが、英語での発音はパウチとなり、「小袋・小物入れ」という意味になります。カンガルーのお腹やペリカンのくちばしにある袋状の部分も同じ呼び名で使われるそうです。女性用の化粧ポーチなどが代表的なもので、コーチ(COACH)やプラダ(PRADA) などから発売されています。
ブリーフケース/ビジネスバッグ/アタッシュケース
ブリーフケースは、書類などを入れるための鞄(バッグ)という意味で、ビジネスバッグは、広義の意味でビジネス向け鞄(バッグ)として、アタッシュケースは、フランス語でアタッシェ(attaché:大使館員・駐在武官などの意)が書類などを携行するのに使用していたことなど、名称こそ違いますが三者とも同じような用途で使われています。
また日本では、書類鞄や抱鞄(かかえかばん)などと呼ばれることもあります。主な形状としては、書類などが折らずに入り、箱型で手提げスタイルのものが多いです。
メンズ用としての需要が高く、ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)、プラダ(PRADA)、カルティエ(CARTIER)、グッチ(GUCCI)、ボッテガ・ヴェネタ( Bottega Veneta)などが人気で、いずれもビジネス向きのため落ち着いたデザインのものが多いです。
ボストンバッグ
主に多くの荷物を入れることができる、長方形の大型な手提げ鞄を指すことが多く、旅行用やスポーツバッグとしての利用が高いです。ボストンバッグの名前の由来は、ボストン大学の学生用バッグをモチーフに、日本人がアレンジして日本で販売したことから名付けられたと言われています。ですので、海外ではこのようなスタイルのバッグを、「クラブバッグ」や「トラベリングバッグ」と呼ぶそうです。また、昭和40年代から50年代に流行した「マジソンバッグ」も日本オリジナルもので、スーツケースで有名な株式会社エースが考案したものです。
また、コーチ(COACH)、ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)、クロエ(Chloe)などのブランドからも、ボストンバッグスタイルのバッグが生産されており、その品質に定評があります。
肩に掛ける・背負うスタイル
ショルダーバッグ
片方の肩にかけて使用する鞄やバッグで、1900年代中頃、ハンドバッグが主流の時代に、両手が自由になる女性向けショルダーバッグの先駆けとして、シャネル(CHANEL)の「マトラッセ」が登場したことは有名です。当時、創業者ココ・シャネルが「マトラッセ」の肩がけ紐の部分を、チェーンだけでは肩から落ちてしまうため、チェーンに革を通し肩から落ちにくくしたチェーンショルダーを考案しました。また、産業の発達とともに自転車やオートバイなどの乗り物も登場し、両手が自由に使えるショルダーバッグは需要が高まりました。現在でもショルダーバッグは男女問わず人気が高く、色々な種類や形のものが販売されています。
ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)、コーチ(COACH)、グッチ(GUCCI)、ボッテガ・ヴェネタ(Bottega Veneta)、イル・ビゾンテ(IL BISONTE)、フェリージ(Felisi)などのブランドが実用性と品質を兼ね備えたショルダーバッグを発表しています。
ポシェット
「ポシェット」とは、フランス語で「小さなポケット」という意味で、肩からさげる長い紐のついた小物用の鞄やバッグを指します。装飾性を兼ねているため、女性向けのファッションアイテムとして使われることが多いです。また、中世ヨーロッパの貴族の間では、「オモニエール」という装飾されたベルトに吊るして使う巾着袋が流行ります。これが、現在のポシェットの原型と言われています。
主に女性向けのため、エルメス(Hermes)、コーチ(COACH)、プラダ(PRADA)、トリーバーチ(Tory Burch)、ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)など、多数のブランドで作られています。
リュックサック
背負い鞄のことで、両手が自由になることから、軍事関連、登山やアウトドア、日常生活まで幅広く使われています。また、目的や用途によって呼び名もあり、1日分程度の荷物を入れられる「デイパック」や、日本では小型で簡易な作りのリュックサックを「ナップサック」と呼んだりします。
学童用の背負い革鞄として有名な「ランドセル」は、元は軍隊の将校用の携行鞄がルーツと言われています。その後、明治時代初期に学習院初等科で採用されることで、学童用としてスタートしましたが、一般的に普及したのは昭和の高度成長期以降です。現在では、日本のアニメブームの影響からか、海外のセレブ達の間でランドセルに注目が集まっているそうです。
ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)、グッチ(GUCCI)、プラダ(PRADA)、シャネル(CHANEL)などのハイブランドもカジュアルなリュックサックスタイルのシリーズを発売しています。
多機能・目的別スタイル
スーツケース /トロリーバッグ/キャリーバッグ
主に旅行や出張など、移動距離や宿泊日数が長いときに利用する鞄(バッグ)を指します。日本では、空港や駅でよく見かけるキャスター付きの取っ手が伸び縮みするタイプのものを「スーツケース」や「キャリーバッグ」と呼ぶことが多いですが、海外ではこのようなスタイルのものを「トロリーバッグ」と呼びます。スーツケースとして、ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)、ティファニー(Tiffany & Co.)、リモワ(RIMOWA )などが有名です。
スリーウェイバッグ(3WAYバッグ)
「手から提げる」「肩に掛ける」「背負う」の3通りで使用できる鞄(バッグ)です。日本では、主にメンズ向け、ビジネス向けとして機能性や耐久性を重視したものが多い傾向です。
また、かつて米軍が使用していた「ハバサック」も、3WAYバッグの一つであり、現在はミリタリーテイストのデザインの一つとして鞄メーカーから販売されています。
日本では、トゥミ(TUMI)やブリーフィング(BRIEFING)などのブランドが人気です。
そのほかにも、書類や荷物などを自転車で配達するメッセンジャー用の「メッセンジャーバッグ」 、胴や腰に巻きつけて使用する「ウェストバッグ」や「ウエストポーチ」など、様々な用途や目的により鞄やバッグは日々進化し続けています。
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