珊瑚の歴史

2018/10/30

古来より珊瑚は宝石として親しまれておりました。海外では神話にも登場した記録もある珊瑚の歴史について触れてみましょう。
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メドゥーサの血

 珊瑚と人間の関わりは最古で紀元前2万年の旧石器時代といわれており、主に地中海沿岸では首飾りや冠といった装飾品をはじめ中には薬品としても珊瑚が使用されていました。ローマ時代の壁画には珊瑚樹をインテリアとして使用されていた記録も確認されています。
 ギリシャ神話ではペルセウスとメドゥーサの戦いに珊瑚が登場しています。神々がこの世を支配していた時代、メドゥーサとの戦いに勝利したペルセウス。ペルセウスは彼女の首を断ち切り、空高く飛んでいきました。その際、メドゥーサの首から滴り落ちた血が海草に触れ赤く染まったのだそうです。このことから、ヨーロッパの歴史において珊瑚は「邪気を払う」「悪いものから守ってくれる」いわゆる魔除けとして使われていました。
珊瑚(サンゴ)画像

日本では

 日本に初めて珊瑚が持ち込まれたのがいつなのか正式には分かっておりません。しかしながら、仏教伝来と共に日本へと渡ってきた珊瑚は聖武天皇に献上されたという記録が残っておりますので、珊瑚が初めて日本に訪れたのはおよそ7~8世紀頃といわれております。江戸時代まで日本では輸入品として珊瑚を宝石として仕入れていました。商人の手から手へと渡り国内に普及されていきます。
 1812年には高知県にて偶然珊瑚が採取されましたが、輸入品よりも高価であることがわかり一旦、漁を中止されたのだそうです。当時の江戸時代では「倹約令」というものが存在し、高価な珊瑚がそれに触れてしまうのではと恐れたそうです。
赤珊瑚リング画像

世界に誇れる「トサ」珊瑚

 幕府が倒れ、時代は江戸から明治へと移ります。縛られるものが無くなり高知県の漁師たちは再び珊瑚の採取を始めました。当時から捕獲技術にはかなりのものだったようで1901年にはおよそ10トン以上もの珊瑚が水揚げされた記録が残っています。特に高知県の土佐湾にて採取される血赤珊瑚はヨーロッパ産の珊瑚よりも色が濃く深みがあり、海外から大変高い評価を得ました。(土佐湾で採取されることから「トサ」珊瑚とも呼ばれています)この頃から、珊瑚を輸入していた日本が逆に世界へ輸出するようになりました。
 現在も日本ではおよそ8割の珊瑚が高知県産です。土佐湾付近には珊瑚関連のお店がおよそ10店舗以上もございます。高知市では日本珊瑚センターもありますので是非、観光で訪れた際には立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
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