非加熱ルビーと加熱ルビーの違い
2015/10/21
ルビーには非加熱と加熱があると聞いても、すぐにピンとくる方は少ないかもしれません。
しかしその違いを知っていると、ルビーを購入する時や買い取りをしてもらう時にきっと役立つはずです。
非加熱ルビーと加熱ルビーとはどんなものなのか、またその違いについてご紹介します。
非加熱ルビーと加熱ルビー
宝石には天然そのままを研磨したものもあれば、その石をより美しいものとするために加工処理を施したものもあります。
ルビーの加工処理で一般的に行われているのが加熱処理で、熱を加えた「加熱ルビー」と、熱を加えていない「非加熱ルビー」があります。
それぞれどんな特徴があるのでしょうか。
より透明度の高い非加熱ルビー
非加熱ルビーというのは、その名の通り加熱処理を施していないルビーを指します。
加熱ルビーと比べて大きく違う点は、その透明度。
透明度が高いため、すっきりとした赤をしているのが非加熱の特徴です。
人気の高いミャンマー・モゴック産のルビーの場合、加熱処理されていないものには60度に交わる内包物が見られる場合があり、そこもチェックポイントの一つです。
色がより鮮明になる加熱ルビー
透明度の高い美しさを持つルビーをなぜ加熱処理するのか、それは加熱処理によって発色が良くなりより鮮明な色になるからです。
ただし、加熱する際に溶けてしまった表面の穴の痕跡や、加熱に使用する薬品によってガラス状の亀裂が入ってしまう場合もあるようです。
また、ミャンマー・モゴック産ルビーの場合は、加熱することによってスノーボール・インクルージョンという丸い内包結晶が見られることもあります。
価値がより高い非加熱ルビー
非加熱ルビーと加熱ルビー、品質として格付けされるものではありませんし、「このクオリティ以下のものに加熱処理をする」といった明確な基準もありません。
ルビーには原産国とともに加熱、非加熱の表示がされているので、それを基に判断するしかないのですが、やはり非加熱の方が高額で取引されています。
手を加えなくても美しいルビーというのは、それだけ希少ということなのです。
非加熱だからといって、加工されていないとは限らない
ルビーを購入する際に気をつけたいのは、「非加熱」だからといって、何も処理されていない天然そのままのルビーとは限らないということ。
加熱以外の処理が施されている場合もありますし、中には加熱した痕跡が目立たないものを「非加熱」と偽って表示されていたりする場合もあります。
非常に人気の高いモゴック産のルビーでもそういったことがあるようなので、購入する時には十分注意が必要です。
非加熱ルビーと加熱ルビーの違い、素人が判断するのはなかなか難しい場合も多いものです。
売買をする際には、まずは信頼のできる鑑定士がいる店舗で鑑定をしてもらうことをおすすめします。
しかし鑑定士に任せっきりというわけではなく、自分自身でも一つ一つ確認しながら話を進めて行けるように、この非加熱と加熱の違いをぜひ覚えておきましょう。