スピネルの種類と選び方
2016/02/14
スピネルは、パッと見はルビーと非常によく似ていますが、全く異なる石です。
色が鮮やかで硬度が極めて高いため、ジュエリーにおすすめの石なのですが、あまり市場には出回っておらず、なかなかその美しさを目にすることはできません。
そのため、スピネルの存在自体を知らない人も多いのが現状です。
ここでは、スピネルにはどんな種類があるのかなどをご紹介していきます。
色の鮮やかなカラーストーンをお探しという方は、ぜひ参考にしてください。
スピネルってどんな石?
スピネルはルビーに非常によく似た宝石なので、1780年頃まではルビーと混同されていました。
そのため、ルビーとして所蔵されていたはずの石が、よく調べてみると実はスピネルだった…ということも多いようです。
有名な例としては、現在でもイギリス王室に伝わる「黒太子のルビー」が実はレッドスピネルだということ。
これは、エドワード皇太子が14世紀に入手してからずっと受け継がれている石で、今でもインペリアルクラウン(大礼用の王冠)の真ん中に主石としてはめ込まれています。
スピネルはその色の美しさが魅力
スピネルの魅力はその色の美しさにあります。
単屈折なので、複屈折のルビーと比べて色が混じって見えることがなく、すっきりとした色を持ちます。
おまけに非常に硬い石なので、耐久性にも優れています。
高条件の揃った石ではありますが、産出量が少ないため、結果的にルビーほどの知名度はありません。
ただ、ルビーと並べて見てみると、スピネルには非常にすっきりした色の鮮やかさを感じることができますので、もし目にする機会があればルビーと見比べてみると良いでしょう。
スピネルの種類と選び方
スピネルにはレッド以外にも、ピンクやブルー、オレンジ、紫など、さまざまな色があります。
ただし、一口に赤と言っても、深紅のものからピンクがかったもの、ほとんど無色に近いうっすらとしたピンクなどがあります。
レッドスピネルは、とにかく赤色がはっきりと美しいものを選びます。
もちろん、形やシルエットも大切ですが、まずは色が美しいかどうかを優先させるべきです。
また、少々色が淡く感じられたとしても、彩度の高いすっきりとした色感をもつものを選ぶ方が良いでしょう。
そもそも希少性の高い石ですので、中にはほとんどピンクに見えるものもありますが、茶色や紫色がかっているものでなければ、迷わず買いだと言えます。
どうしても明度からジュエリークオリティとされてしまうことが多いのですが、その美しさは充分にジェムクオリティといえるものもあります。
ジュエリーにするには、贅沢すぎるほどの輝きを見せてくれるでしょう。
もっとメジャーな存在になってほしいスピネルですが、そもそも市場に出回る数は極めて少ないと言えます。
天然ルビーよりは比較的手頃な価格になっていますが、本当に美しい輝きのものに出会うことはなかなか難しいかもしれません。
加熱処理が行われない石なので、自然の美しさを楽しめることもメリットだと言えます。
こまめに宝石店をチェックし、辛抱強く欲しい石を探していくと良いでしょう。