これぞ匠のワザ!金の精錬の方法とは

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金鉱石に含まれる自然金は、そのままでは製品として使うことができません。不純物を取り除く「金の精錬」という工程を経て、ようやく純度の高い金地金やジュエリーなどに生まれ変わります。本記事では、古来から現代まで続く金の精錬方法について、わかりやすくご紹介します。

大嶋 雄介
著 者

大嶋 雄介

2015年にゴールドプラザに入社し、千葉店の店長として3年間で月間売上の最高記録を達成。鑑定士としてのキャリアをしっかりと積み上げ、その後、営業企画部に進出し、集客の戦略構想やSNSを活用したPR活動をしながら、リサイクル業界への深い理解と経験を積みました。現在は貴金属の換金業務に従事し、金融相場や市場動向の分析をじっくりと、緻密な専門知識を深化させています。


金の精錬とは?純度を高めるための重要な工程

金の純度と「K」表示の関係

金製品には「24K」や「18K」などの刻印がありますが、これは金の純度を示す指標です。日本では「24分率」が採用されており、次のように定義されています。

  • 24K(純金):純度99.99%以上の金
  • 18K(金含有率75%):24分の18が金で、残りが他の金属

精錬はこの金の純度を高める作業であり、鉱石に含まれる銀や銅などの不純物を除去することで、価値ある金を作り出します。


昔の日本にはなかった金の精錬技術

技術が伝来するまでの背景

現在では国内でも一般的な金の精錬技術ですが、16世紀末以前の日本には金を効率よく取り出す技術がありませんでした。そのため、金や銀を多く含む鉱石は、中国やヨーロッパの商人によって安価で買い集められていたとされています。

灰吹法の登場

1590年代に「灰吹法(はいふきほう)」という精錬技術が南蛮人によって伝えられ、日本でもようやく本格的な金の精錬が始まりました。これが、日本における金精錬の始まりとも言えます。


江戸時代に行われていた金の精錬方法

金銀吹き分け法

江戸時代、特に佐渡金山では「金銀吹き分け法」という伝統的な精錬方法が行われていました。方法は以下の通りです:

  • 炭水を使用した炉で自然金を加熱
  • 鉛と硫黄を加え、硫化銀を分離
  • 束ねたワラで水をかけて浮かんだ硫化銀を固める
  • 薄い皮を鉄板ではがし、さらに硫黄で加熱を繰り返す

この地道な作業を10日以上繰り返すことで、高純度の金を精錬していました。

焼金法(しょうきんほう)

佐渡では海塩を使った「焼金法」という別の精錬法も存在していたと言われています。こちらも、手間と時間を要する伝統的な技術でした。


現代の金の精錬方法

電気分解による精錬

現代の金の精錬技術は、科学の進歩により大きく進化しています。たとえば、鹿児島県の菱刈鉱山では次のような手順が採用されています。

  1. 鉱石に銅精鉱・ケイ酸鉱・酸素を加えて溶解
  2. 品位99%の銅を生成
  3. 銅や銀などの金属を電気分解で分離し、金を抽出

このようにして、**高純度の金(99.99%以上)**が効率よく生産されるのです。


時代を超えて変わらない精錬の本質

江戸時代の手作業による金の精錬と、現代の機械化された電気分解。方法は異なりますが、「不純物を除去し、金の純度を高める」という本質は、今も昔も変わりません。

金の精錬は、時間も労力もかかる職人のワザが光る工程なのです。


まとめ:金の価値は精錬技術にあり

金の精錬は、ただ金を取り出すだけでなく、その価値を最大限に引き出すための重要な工程です。

現代では、不要な金製品や使わなくなったアクセサリーからでも高純度な金を再生することが可能です。金の価値を知るためにも、精錬の仕組みを理解することは大切です。


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