金の相場の仕組み

2015/10/27

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その美しい輝きが、古代より多くの人々を魅了してきた金。

現在もアクセサリーをはじめとした工業製品にも使われるほか、安全資産として資産運用にも活用されています。

しかし、金の価格も株や債券などと同じように、相場の動きによって価格が高くなったり安くなったりしています。

今回は、金の相場がどんな仕組みになっているのか、どんな時に金の価格が変わるのか、金の相場について紹介しましょう。

金の価格はどうやって決まる?!

金の世界4大市場は、ロンドン、ニューヨーク、香港、チューリッヒ市場だと言われていますが、東京や上海、インドなどにも金の大きな市場があり、こういった複数ある市場で金はその価格が決まります。

金と現金を交換する現物取引はロンドン市場、将来の売買を約束する先物取引はニューヨーク市場を中心として行われており、それぞれの市場の価格が互いに影響し合って金の相場が決まっていきます。

ロンドンで決められる金の現物取引の価格はニューヨークの先物価格にも影響を与えますし、ニューヨークの先物市場の動きがロンドンの現物取引の価格にも影響を与えます。

さらに、ニューヨーク市場での金相場は、時差の関係でニューヨーク市場が閉まった後に開かれる東京の金相場にも影響を与えます。

そして金の相場を大きく動かしているのが、いわゆる「投機マネー」と呼ばれる投資家のお金です。

金相場を動かす要因とは?!

金の価格はこの10年で大きく上昇しています。(2015年現在)

金の価値そのものは変わらないはずなのに、2000年頃に1グラム1,000円前後だった金の価格は、2013年には一時1グラム5,000円くらいの価格をつけました。

その差は5倍です!

では、金の相場はなぜこんなにも動くのでしょうか。

金の価格の変動を知るには、経済全体の動きを知る必要があります。

インフレ懸念が広まると金相場は上昇する

インフレとは物価がどんどん上昇していく状態のことです。

物価がどんどん上昇していくと、いままで100円で買えたものが120円、140円と値上がりしていくので、お金の価値が相対的に下がっていきます。

こういったインフレの懸念が広まると、いま持っているお金の価値が下がる前に安全資産と見られている金を買っておこうという動きが強まり、金を買いたい人が増えます。

そうすると金が市場から少なくなり、金の価格は上がっていきます。

金融緩和でも金相場は上昇する

世の中の景気が悪くなると「金融緩和」という言葉がニュースなどでも聞かれるようになります。

これは日本銀行などの中央銀行が景気を刺激するために金利を引き下げたり、お金を市場に流したりする事を言います。

金融緩和が行われて金利が下がっていくと、やはりお金の価値が下がってきますので、金の人気が高まります。

逆に金利が上がっていく局面の場合、今度は債券などの高金利の金融商品の人気が高まっていきます。

すると、持っていても金利がつかない金の相場はだんだんと下がっていく事になります。

金の相場と金利は、一見すると無関係のようにも思えるかもしれませんが、実は金の相場は金利水準にかなり敏感に反応するのです。

円高になると日本国内の金の価格は安く買える

もう一つ、金の相場は為替の影響も強く受けます。

金の国際価格は米ドルで表されますので、為替の動きは無視できない大きな要因になるのです。

一般的に、日本国内の金の価格は、金の国際価格に為替レートや手数料などのコストを加味して計算されます。

例えば、1ドル130円の時に1グラム1,500ドルの金を買うと、日本円で195,000円です。

しかしその後、1ドル90円まで円高が進んだ時に同じ金を買うと、日本円では135,000円になります。

手数料などのコストが変わらないと仮定すると、円高の時に金を買った方が、60,000円も安く購入する事ができます。

このように、日本国内の金相場は、円高になると金の人気が高くなる傾向があるのです。

いかがでしたでしょうか。

金の相場は、世界経済の状況や金融政策などによっても変動するという事がお分かりいただけたかと思います。

近年、金の価格は比較的高い水準で推移をしていますが、いつどのようなことがきっかけで変動するかは分かりません。

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