金投資、その仕組みと注意する点とは?

2015/11/18

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金は「有事の金」とも言われ、株価が大暴落するような経済の危機や金融危機の際にも、その実物資産としての信頼性から価格が上昇する、もしもの時の資産として人気があります。

そのため最近では、金の投資を始めたいと思う方も増えていますが、まずは投資を始める前に、金の投資方法やその仕組みをしっかりと理解しておくと良いのではないでしょうか。

今回は、金の投資の種類や注意点についてご紹介しましょう。

金投資の種類

金投資の方法には、金の現物(バー)を購入する方法や金貨を購入する方法、純金積立、投資信託など、いろいろな方法があります。

それぞれの投資方法には、必要とされる資金や購入した金を保管・運用する方法など、メリット、デメリットがありますので、それを理解した上でご自分に合った方法を選ぶと良いでしょう。

金地金での現物取引

金地金の現物(いわゆる金の延べ棒)を、お店で直接購入する方法です。

貴金属取引を専門に行っている店のほか、商社やデパートなどにも入っている宝石店や時計店などでも購入できる場合があります。

大都市圏だけでなく地方でも購入できる場所が多いので、手軽に始めることができるのは魅力です。

ロンドン地金協会(LBMA)に登録されているブランドは、他のブランドよりも信頼性が高いと言われていますので、購入の際には参考にしてみてください。

売買の単位は購入するお店によっても変わりますが、最少5グラムから5グラム単位で購入できるお店が多いようです。

ちなみに、金の現物取引を行っているお店に行くと、小売価格と買取価格に差がある事に気づかれるかもしれません。

買取価格の方が1グラムあたり数十円安い事が多く、この差額が金地金を扱っているお店の利益になるのです。

地金型金貨での現物取引

金地金に比べてより少額の投資から始められる現物での取引としては、地金型金貨での投資があげられます。

地金型金貨は、○○○記念金貨といったような収集型金貨ではありませんので、その発行年や発行量によって価格が変わることはありません。

純粋にその時の金の価格で、その価値が変わります。

1グラム4,000円くらい時であれば、1/10トロイオンス金貨で15,000円程度だと思われますので、かなり気軽に金投資を始めることができるのではないでしょうか。

ただ、購入した金貨の保管には気をつけてください。

万一、傷がついてしまうと再生価格となってしまい、買取をしてもらう時に安くなってしまいます。

純金積立

月々1,000円程度から1,000円単位で始められるのが純金積立です。

毎月一定額が口座から自動で引き落とされていき、自動で金の購入を行ってくれますので、投資家は手間をかける事なく、金投資をすることができます。

毎月一定額を金に投資しますので、金の価格が高い時は少量の購入、金の価格が安くなったときは普段よりも多く多く金を購入する事になります。

この毎月一定額で投資を行う手法を「ドル・コスト平均法」といい、投資する商品の取得価格(投資金額)を最適化する方法として有名です。

ただ、投資をするための手数料などのコストが、現物を直接買うより高くなる傾向があります。

手間なしで投資できる事に対する手数料と考えるのか、できるだけ手数料は安くおさえるようにするのかは、投資家の考え方次第です。

先物取引による金投資

先物取引とは、将来のある時点で金をいくらで売買するという約束をする取引の事です。

ただ、実際には金の売買をすることはほとんど無く、期限の段階で逆の取引(買い注文に対して売り注文など)を行う事による「差金決済」を行う事が一般的です。

東京工業品取引所に上場されている金の先物取引は、取引単位が1キログラムの「金標準取引」と100グラムの「金ミニ取引」の2種類があります。

投資信託による金投資

投資信託とは、証券会社などが投資家から資金を集めて、それを元に運用会社が投資を行い、そこで得た利益を投資家に還元する仕組みです。

近年では「金ETF」という金価格に連動する上場投資信託に注目が集まっています。

金の現物取引に比べると、遥かに少ない資金で金投資を始めることができます。

また、金ETFは「有事の金」を購入する投資信託ですので、株式暴落などの際にも価格下落の影響は受けず、逆に値上がりするものがほとんどです。

実際に2008年のサブプライムローンを契機とした株安とアメリカ経済の危機的状況の中でも、金ETFは価格を上げていったという実績があります。

金投資は、その価値が急に暴落することは考えにくくリスクも小さいため、投資初心者にもおすすめの投資商品の一つです。

しっかりと下調べをした上で、株式投資などの他の投資手段のリスクヘッジ策として運用をを始めてみてはいかがでしょうか。