これぞ匠のワザ!金の精錬の方法

2015/08/21

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金鉱脈の発見から金の採掘まで、こうやって金はできあがるでも少しふれたように、金というのは自然金と呼ばれるように鉱石の中に金そのままの状態で含まれているものではありますが、金地金などの製品となるためには、不純物を取り除くなどの作業が必要となります。

それが「金を精錬する」という作業です。

古来より世界中で行われてきたという金の精錬技術ですが、実際どのような方法で精錬するのか、金の精錬方法について今回はご紹介します。

精錬のワザが高める 金の純度

金地金はもちろん、アクセサリーなどでも「24K」や「18K」などの刻印を見かけることがあると思います。

ご存じの方も多いと思いますが、これは金の純度です。

日本では24分率という方法をとっていて、99.99%以上の純度を持つ金を24Kという「純金」、18/24つまり金の含有率が75%の金を「18金」というように決められています。

この金の純度というのは、精錬によって変わってきます。

なぜかというと、鉱石などに含まれている金は大抵の場合、銀や銅を始めとする他の金属が含まれていて、純金であることは少ないからです。

これらの不純物を取り除くことでより純度の高い金を作ることができるため、精錬の技術いかんによって金の純度がより高まっていくということです。

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価値の高い金を活用できなかった時代

現在は日本でも行われている金の精錬ですが、16世紀末ごろまでの日本は、鉱石から金を取り出す技術を持っていませんでした。

当時の日本で採掘される鉱石は金や銀の含有率が高かったため、1590年代に「灰吹法」という技術が南蛮人によって伝わり日本に広まるまでは、ヨーロッパや中国の商人たちによって、安価で買い集められてしまっていたそうです。

昔の日本は金の精錬技術がなかったせいで、せっかくの良い素材もまったく活用できなかったというわけです。

江戸時代の金の精錬方法

それでは具体的な金の精錬方法についてご紹介しましょう。

まずは江戸時代に佐渡で行われていた「金銀吹き分け法」。

炭水を使用した炉の中で自然金を溶かして鉛と硫黄を加え、浮かんできた硫化銀に束ねたワラで水をかけ金を精錬していく方法です。

硫化銀にワラで水をかけてできた薄い皮を鉄の板ではがして硫黄を加えて溶かすという地道な作業を10日以上繰り返すことで純金を精錬するという、非常に地道で大変な方法でした。

ほかにも江戸時代の佐渡では「焼金法」という海塩を使用した精錬技術もあったようです。

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現代の金の精錬方法

一方、現代の金の精錬方法はというと、現在も採掘が行われている鹿児島県の菱刈鉱山では、電気分解による精錬方法が使用されています。

溶炉に入れた鉱石に銅精鉱とケイ酸鉱、酸素を加えて溶かし、品位99%の銅にしたあとそれを精錬して銅や銀などの金属を電気分解することで純度の高い金を精錬する方法です。

こうして江戸時代と現在の日本の精錬技術を比べてみると、手作業であった江戸時代と機械化された現在の方法とでは一見違うように思えますが、どちらも繰り返し不純物等を繰り返し分離していくことで、純度の高い金を精錬するという根本的な方法は、時代が移っていく中でも変わりません。

金の精錬には時間も手間も膨大にかかっているのがお分かり頂けたのではないでしょうか。