金メダルに金閣寺、その素材って金なの?

2015/06/26

golden-pavilion-material

金閣寺やオリンピックなどの金メダルには、どんな素材が使われているかご存知ですか?

名前には「金」の文字がつきますが、この金メダルや金閣寺に使われているのは、全て本物の金なのでしょうか。

そこで今回は、金メダルや金閣寺などで使われている素材についてご紹介しましょう。

金メダルの素材はどこまでが金?

オリンピックなどの優勝者の栄誉を称えて授与される金メダル。実は、メダルの全てが金で作られているわけではありません。

オリンピック憲章に定められたところによると、金メダルは純度が92.5%以上の銀で製作されたメダルの表面に、6g以上の金メッキを施したものなのです。

オリンピックでは、金メダルを取った選手が撮影時にメダルを噛むポーズが多くみられますが、強く噛んでしまうとメッキが剥がれてしまうことがあるかもしれません。

なぜ金メダルを銀で作るのかというと、製作コストが最大の理由です。オリンピックでは、一つの大会で数多くの金メダルが必要となるので、全て金で作ると膨大な費用がかかってしまいます。

例えば夏季オリンピックでは300以上の種目が行われ、団体競技も数多くあります。金メダルに使用されている金や銀の量から見積もると、金メダルの製作コストは5万円前後だと言われていますので、銀を使った金メダルでも最低1,500万円以上のコストがかかります。

これを金で製作したら……いったいどのくらいのコストがかかるのか想像もできません。金価格が高騰している現在ではなおさらでしょう。

オリンピック憲章でこのように定めているのは、国によって経済状況が異なる中で、どの国でオリンピックを開催することになっても金メダルを用意することができるように配慮した結果なのだそうです。

ちなみに同じ金メダルでも、ノーベル賞の金メダルは18Kで製作されたメダルの表面に24Kのメッキが施されています。

次のオリンピックやノーベル賞の授与式には、金メダルに注目して見てみるのもおもしろいかもしれません。

金閣寺はどのくらいの金を使用している?

日本が世界に誇る金の建築物と言えば、京都の金閣寺。その黄金に美しく輝く姿は、日本人だけでなく、外国人観光客にも高い人気があります。

金閣寺は、室町幕府の3代将軍である足利義満が1397年に建立しました。しかし600年近く経った1950年に、放火による火災で炎上してしまいます。現在の金閣寺は火事から5年後の1955年に再建されたものです。

建立された当時の金箔の使用量については不明なのですが、3層目(3階)のみが金箔貼りだったとされています。再建した際には、2層目(2階)にも金箔が使用されました。

さらに金箔の剥落が目立つようになった1987年に貼り替えを行いましたが、この時には金箔を従来の5倍の厚さにし、20万枚の金箔を使用。使用された金の量は約20キログラムと言われています。

時代を経るごとにより豪華になっていく金閣寺。これから先もずっと、美しい輝きで私たちを楽しませてくれることでしょう。

金のコラム一覧