金のインゴットとは?種類・刻印の見方から売却時の税金対策までプロが徹底解説!

「金のインゴットって、普通の金と何が違うの?」 「いざ売るときに、税金や手続きで損をしたくない!」

世界的な経済不安やインフレへの備えとして、いま改めて現物資産である「金(ゴールド)」に注目が集まっています。その中でも、資産形成の王道とされるのが「インゴット」です。

今回は、インゴットの基礎知識から、偽物を見分けるための刻印の秘密、そして売却時に絶対に知っておくべき税金の手続きまで、分かりやすく徹底解説します!

金のインゴット画像
大嶋 雄介
著 者

大嶋 雄介

2015年にゴールドプラザに入社し、千葉店の店長として3年間で月間売上の最高記録を達成。鑑定士としてのキャリアをしっかりと積み上げ、その後、営業企画部に進出し、集客の戦略構想やSNSを活用したPR活動をしながら、リサイクル業界への深い理解と経験を積みました。現在は貴金属の換金業務に従事し、金融相場や市場動向の分析をじっくりと、緻密な専門知識を深化させています。

そもそも「インゴット」とは?

インゴット(ingot)とは、日本語で「金属の塊」を意味します。 精錬した金属を鋳型に流し込んで固めたもので、持ち運びや保管(貯蔵)がしやすい形状に整えられているのが特徴です。

一般的には「金地金(かなじがね)」「延べ棒」「ゴールドバー」などとも呼ばれます。金だけでなく、プラチナや銀なども同様にインゴットとして流通しています。

インゴットの「サイズ」と「単位」の秘密

金のインゴットには、手のひらに乗る小さなものから、ずっしり重いものまで様々なサイズが存在します。

主な10種類のサイズ

市場で一般的に流通しているのは、以下の10種類です。

  • 1kg(通称「キロバー」)
  • 500g
  • 100g
  • 50g
  • 20g
  • 10g(ペンダントなどのジュエリー用としても人気)
  • 5g
  • 2g
  • 1g

世界基準の「ラージ・バー(約12.5kg)」とは?

これらとは別に、ロンドン金市場で実際に取引される「ラージ・バー」と呼ばれる約12.5kgの巨大なインゴットも存在します。 「なぜ12.5kgという中途半端な重さなのか?」というと、貴金属の計量に用いられるヤード・ポンド法の単位「トロイオンス(troy ounce)」でキリの良い約400トロイオンスになるように定められているためです。

本物を見極める!インゴットに刻まれた「4つの刻印」

正規のルートで流通しているインゴットの表面には、その価値と品質を証明する「4つの重要情報」が必ず刻印されています。

1.ブランド名(商標)

田中貴金属工業、三菱マテリアル、クレディ・スイスなどの公式国際ブランド(グッドデリバリーバー)を指します

三井金属工業インゴットロゴ 住友金属鉱山インゴットロゴ DOWAインゴットロゴ 古河機械金属インゴットロゴ
三井金属鉱業(株) 住友金属鉱山(株) DOWA
メタルマイン(株)
古河機械金属㈱
日鉱金属インゴットロゴ 三菱マテリアルインゴットロゴ 田中貴金属工業インゴットロゴ 徳力本店インゴットロゴ
日鉱金属(株)
(日立製作所)
三菱マテリアル(株) 田中貴金属工業(株) (株)徳力本店
石福金属興業インゴットロゴ 松田産業インゴットロゴ 日鉱金属インゴットロゴ 日本マテリアルインゴットロゴ
石福金属興業(株) 松田産業(株) 日鉱金属株式会社 日本マテリアル㈱
アサヒプリテックインゴットロゴ CREDIT SUISSインゴットロゴ JOHNSON香港インゴットロゴ JOHNSONロンドンインゴットロゴ
アサヒプリテック
株式会社
CREDIT SUISS JOHNSON
MATTHEY
(HONG KONG)
JOHNSON
MATTHEY
(LONDON)
DEGUSSAインゴットロゴ ENGELHARDインゴットロゴ ARGORインゴットロゴ JOHNSONインゴットロゴ
DEGUSSA ENGELHARD ARGOR
HERAEUS S.A.
JOHNSON
MATTHEY
ROYALCANADIANインゴットロゴ PAMPインゴットロゴ RANDREFINERYインゴットロゴ JOHNSONオーストラリアインゴットロゴ
ROYAL
CANADIAN
MINT MONNAIE
PAMP RAND REFINERY JOHNSON
MATTHEY
(AUSTRALIA)
GOLDEN WESTREFINNINGインゴットロゴ LG Metalsインゴットロゴ PERH MINT インゴットロゴ METALOR USAインゴットロゴ
GOLDEN WEST
REFINNING
CORP
LG Metals PERH MINT METALOR USA
DEGUSSAシンガポールインゴットロゴ ARGOR S.A.インゴットロゴ UBS AGインゴットロゴ SWISS BANKインゴットロゴ
DEGUSSA
SINGAPORE
ARGOR S.A. UBS AG SWISS BANK
UBS AGインゴットロゴ Union Bank of
Swizerlandインゴットロゴ
UBS AG Union Bank of
Swizerland

2.重量表示

インゴットの正確な重さ(g表記)

3.品位表示(純度)

金の純度を示す数字。インゴットと呼ばれるものは、基本的に「999.9(フォーナイン=純度99.99%)」と刻印されます。

4.シリアルナンバー

商品管理用の製造番号

刻印の重要性と注意点

買取の現場において、刻印は本物かどうかを見極める重要な目印ですが、以下の例外もあります。

  • 汚れていても偽物とは限らない:古いインゴットは刻印が潰れたり汚れたりしていることがありますが、それだけで偽物と判断されるわけではありません。
  • 刻印のない本物もある: 極めて稀ですが、本物の金であっても刻印が存在しなケースもあります。
  • 偽物は重さに「微細な誤差」がある: 偽物のインゴットは、刻印に書かれている重量と実際の重さとの間に、ごくわずかなズレ(誤差)が生じることが多いです。

そのため、プロの鑑定士は刻印だけでなく、比重計や専用の機材を用いて総合的に真贋(本物か偽物か)を判断します。

インゴットを売却するときの「重要ルール」

インゴットは資産価値が非常に高いため、売却する際にはアクセサリー等の金製品とは異なるルールや手続きが存在します。

銘柄によって買取価格に差が出る

昨今の金相場高騰により海外からの密輸事件が相次いでおります。これによりGDB(グッドデリバリーバー)であったとしても海外銘柄のインゴットは国内銘柄と比べて買取価格がお安くなってしまいます。また、国内銘柄の中には特殊詐欺によって流通されたインゴットや模造品も出回っている為、シリアルナンバーの確認や入手経路についての詳しいヒアリングを行う場合もございます。なにとぞ、ご容赦ください。

売却時の税金と「200万円の壁」

金のインゴットを売却して得た利益は「譲渡所得」とみなされるため、税務署への申告と納税が必要です。特に注意したいのが、1回あたりの取引額が200万円を超える場合です。

買取業者の報告義務

取引額が200万円を超えると、買取業者は法律に基づき、誰にいくらで買ったかを記載した「支払調書」を税務署に提出しなければなりません。

確定申告の義務

200万円を超える高額取引があった場合、売却後に正しく確定申告を行う必要があります。

※確定申告を怠ると、税務署から「悪質な財産隠し」と判断され、重い追徴課税(ペナルティ)を課されるリスクがあります。正当な利益を守るためにも、申告は必ず行いましょう。

まとめ:賢く安全にインゴットを売買するために

金のインゴットは、大切な資産を守るための頼もしい味方です。しかし、高額な取引になるからこそ、売却時の手続きや税金の仕組みは少々複雑に感じられるかもしれません。詳しくは税理士もしくは所轄の税務署へ事前に相談することをおすすめします。確かな知識を持って、賢く安全に資産を運用していきましょう。

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